創元社(大阪市・矢部敬一社長)は5月25日、1000点以上のフルカラー画像で恐竜を中心に古代の生き物を紹介する『恐竜と古代の生き物図鑑』(ダレン・ナイシュ監修/ジョン・ウッドワード著)を発刊した。
恐竜図鑑は類書も少なくないが、同書では時代や種の紹介だけでなく、歯や首、尾といったパーツや生態などこれまでにないテーマを設けて恐竜の姿を見せているのが目を引く。
2018年に発表された恐竜ツァイホンや、発色の原理を応用した羽毛色の推定方法ほか最新の発見・研究成果を多数収録。人間の子どもの身長などとの比較で具体的な大きさがわかる工夫も。
また、化石の種類や成り立ち、原始の生物から脊椎動物、爬虫類、恐竜、鳥類、ほ乳類と進化の姿を追うこともできる。文字の解説だけでは難しい内容も写真や復元図、イラストを多用することで理解を助けており、読者からは「子供に買ったけれども私の方が楽しんでいます」との声も寄せられているという。
日本語の監訳は恐竜の生態や進化を研究し、NHK「子ども科学電話相談」の回答者として人気を集める筑波大学生命環境系の田中康平助教。小学校5年生基準で漢字にルビをつけている。
同社編集局心理学術部の宮﨑友見子さんは、「博物館などに足を運びにくい時期だけに、家で恐竜の世界を楽しんでほしい。海外翻訳本のビジュアルの豊富さ、美しさもすばらしく、今までの図鑑と違う切り口も面白い。自信を持って読者に薦めてほしい」と推奨する。