河出書房新社は7月14日から、山田悠介氏の最新作『俺の残機を投下します』を全国の書店で順次発売する。同書は近年注目を集める「eスポーツ」の近未来を舞台に、家族の絆や生きることの意味を見つめ直し、再起をかけるプロゲーマーの物語。刊行にあたり同社は各分野で活躍するトップクリエーターによるPVプロジェクトを進めている。
山田氏は2001年にデビュー作『リアル⻤ごっこ』がミリオンセラーになると、『親指さがし』『パズル』などを相次いで発表。今作は『僕はロボットごしの君に恋をする』から3年ぶりの新作となる。
特設サイトとYouTubeで、ショートバージョンPVを公開
PVは『俺の残機を投下します』の世界観をイメージして、作詞作曲はボカロP(音声合成ソフトVOCALOIDで楽曲を制作する音楽家)・カンザキイオリさんが担当。YouTubeチャンネル登録者数29万⼈を超えるバーチャルシンガー・花譜さんが歌うテーマソング「畢生(ひっせい)よ」を軸に、数々のヒットアニメに参加する人気イラストレーター・米山舞さんが描き下ろしイラストを提供した。
花譜さんは「授業で友達が紹介していたり、本屋さんでたくさん⽬にしたり、学校の図書室にあったり、⼭⽥さんの作品は⾝近にある。たくさんの⼈にずっと愛されてきているのだなと感じていて、そんな⼭⽥さんの作品に関わることができてとても嬉しい」とコメントを寄せている。
PVショートバージョンを公開、人気声優を起用
PVプロジェクトには人気声優の参加が決定しており、梶裕貴さんと花澤香菜さんがキャラクターボイスを担当すると発表された。PVの「ショートバージョン」は6月25日からYouTubeなどで見ることができる。また、同日付で書影を解禁し、梶さんと花澤さんからのコメントも公開した。
梶さんは「かつて『ゲーム=遊び』でしかなかった価値観から、『ゲーム=仕事』という新たな文化を確立させたeスポーツ。主人公の一輝は、そんな世界で戦うプロゲーマーです。ゲームの世界も人生も、生半可な覚悟では生きていけない。“残機は限られている”ということを、あらためて強く感じさせられる作品です」と紹介。
また、花澤さんはファンに向けて「『僕ロボ』に続いて山田先生の作品に関わることができてとても嬉しいです。いち早く読ませていただきましたが、作中で特に印象的だった台詞を声に出すのは緊張しました。結衣ちゃんの持つ逞しさや愛に溢れているところを大切にしながら演じています」とメッセージを送っている。
フルPVは協力書店で先行公開、店頭への誘導を図る
販売面では『僕はロボットごしの君に恋をする』刊⾏時と同様にPVを効果的に活用した、書店への集客施策を予定している。具体的には、発売前の広告やSNSでPVショートバージョン(短縮版)を公開し、PVフルバージョンは発売後の⼀定期間、販売に協力する書店のみで視聴可能とすることで店頭への誘導を図る。
書店のプロジェクト参加および初回配本希望数は、6月末日まで受け付ける。また、6月1日には特設サイトをオープン。同サイトで物語のプロローグとなるスピンオフ作品「エピソード0」全5話を毎週1話更新し、8月末まで特別公開する。同社は「“山田悠介のベスト”を堂々更新する本書と、大きく作品世界をひろげるPVに、ぜひご期待ください」とPRしている。
〈6月25日〉
・ショートバージョンを使用した、発売前WEB広告を開始(〜2週間予定)
〈6月30日〉
・書店事前申込締め切り
〈7月10日ごろ〉
・プロジェクト参加書店へフルバージョンDVDおよび拡材を事前送付
〈7月14日〉
・順次発売(※同⼀地区、同⼀発売、積み込み2日型にて調整中)
・店頭でフルPV放映解禁
〈8月1日〉
・フルPV先行期間終了、特設サイトおよびSNSで公開