東京都新聞販売同業組合は6月18日、第77期通常総会を東京・中央区の銀座会議室で開き、酒井理之氏(読売・練馬)を新組合長とするなど執行役員の選任を行った。酒井組合長はあいさつで、新型コロナウイルスの感染拡大の影響などを語ったうえで、「今まで以上の努力と、系統を超えた協力や連携で、この未曾有の危機に立ち向かっていかなければならない」と呼びかけた。
新型コロナの影響で、通常総会は従来より1カ月遅れの開催となった。冒頭、第77期で退任する大野善司組合長があいさつ。「新型コロナ問題がまだ収束していない中、人数を絞り、時間を短縮した総会となる。二次感染も心配されるが、本業を思うと一日も早く収束してくれることを願っている。幸い組合員、従業員に感染者が出たとは聞いていない。皆さんが予防に努力されたことに敬意を表したい」と語った。
続いて2019年度の事業報告、決算報告を承認。19年度末の登録会員数は▽朝日新聞=159▽毎日新聞=56▽読売新聞=195▽日本経済新聞=73▽産経新聞=71▽東京新聞=76――の計630となった。
今年度はスローガンを「変革の時代をリード東京組合」とし、アフターコロナでの活動を展開していく。例えば、コロナ禍で多くの企業がオンラインシステムを使いテレワークやリモート会議を導入して、遅滞なく事業活動を行ったことを参考に、東京組合でもリモート会議を行ったり、組合ホームページのさらなる有効活用など、ネット活用の準備を進めたいとした。
「工夫しながら前を向いていく」
議事終了後、あいさつに立った酒井新組合長は「新型コロナの感染拡大により、この2~3カ月で社会は大きく変化した」として、スタッフの検温チェックや、店内の消毒、読者に対する衛生面での配慮、集金業務や営業活動の自粛や制限、一番の喫緊の問題である折込チラシの減少や部数減による減収で、「店の経営環境の厳しさが一層増している」と説明。
そのうえで、「従来のやり方が通用しなかったり、今まで通りの予測が立てにくくなってきている。しかし、東京組合は70年以上の歴史の中、幾多の困難な時代でも、常にこの業界をリードしてきた。これからの不透明で厳しい状況でも、私たち自身が生き残るために、従来のやり方を見直すなど、工夫しながら前を向いていかなければならない」と強調した。
来賓あいさつで、東京都折込広告組合・山崎敬一理事長は「新型コロナの影響で、折込業界は未曾有の状況だ。かつてのオイルショックやリーマンショック、東日本大震災といった局面もあったが、今回ばかりは様相が違う」とし、「特に4月、5月は前年比で約70%のマイナスというかつてない局面になっている。ようやく6月中旬から戻りつつあるが、まだ本格的な復調には至っていない」と現状を危惧。
「しかし、座して待っているわけにはいかない。最近は『ニューノーマル』という言葉がよく使われるが、働き方やビジネスのあり方などが変わりつつあり、企業の販促・宣伝活動も、従来とは変わった形になるだろう。私たち折込会社がクライアントとの連携を密にして、いち早くニーズをくみ取っていきたい」と語った。
〈第78期執行役員担務〉
▽組合長=酒井理之(読売・練馬)▽副組合長折込対策担当=小池徹(毎日・大岡山)▽同販売対策担当=渡邊伸樹(朝日・梅田五反野)▽同労務・研修担当=馬内廣美(日経・代々木初台)▽同広報・会計担当=澤田明雄(産経・ときわ台SC)▽同事業担当=佐藤和昭(東京・向島)▽同渉外担当=小川豪(読売・湯島)