のら書店(東京都千代田区、岩田有紀子社長)はこのほど、児童文学作家・あまんきみこさんが子供時代を過ごした中国・大連での日々をもとにした絵本『あるひ あるとき』(あまんきみこ・文、ささめやゆき・絵)を発刊した。
あまんさんの創作の原点ともいえる、戦中・戦後の大連で大好きなこけし人形や両親と過ごした日々を初めて描いた作品。近所の子供の寝顔をきっかけに、困難を強いられた戦後のきびしい生活や、身一つで日本へ引き上げる家族の、避けられなかった悲しい出来事、時代に翻弄される子供たちの喜びや哀しみを、ささめやゆきさんの優しく静かなタッチで描いている。
子供たちが笑顔で過ごし、安心して眠ることができる未来がいつまでも続くようにとの作者の思いが伝わる。
同社の佐藤友紀子編集長は、「戦後75年の夏、戦争について考えるきっかけを与えてくれる内容。小学学低学年以上の親子や、大連に関心のある方にもぜひ手に取っていただきたい。書店店頭では、終戦記念日に向けた、戦争を考えるフェアに加えていただきたい」と推奨する。要望があればPOPも提供できる。
【櫻井俊宏】