インプレス総合研究所は8月18日、2019年度の電子書籍市場動向を発表した。電子書籍と電子雑誌を合わせた電子出版市場は3750億円(前年比20.1%増)と伸長。中でも電子コミックは25.2%増となり、電子出版市場に占めるコミックの占有率は86.1%と拡大した。調査レポート『電子書籍ビジネス調査報告書2020』は同21日に発売する。
調査は、「出版社」「電子書籍ストア」「取次事業者」「通信事業者」「コンテンツプロバイダー」「インターネット広告事業者」など主要な電子書籍関連事業者へのヒアリング調査、ユーザーへのアンケートなどを分析。調査報告書は今年で18年目を迎える。
コミックと文字もの等(文芸・実用書・写真集等)の電子書籍市場は3473億円(同22.9%増)と大幅に伸び、このうち電子コミック市場は2989億円(同25.2%増)、文字もの等も484億円(同10.3%増)と伸びた。一方で縮小が続く電子雑誌市場規模は277億円(同6.4%減)と2年連続の減少となった。
無料でマンガを読めるアプリやサービスの利用が引き続き拡大し、マンガアプリ広告市場は210億円、2020年度は1.3倍の270億円程度に達すると予測している。
モバイルユーザーに対する電子書籍の利用率調査では、有料の電子書籍利用率は20.0%となり昨年から0.2ポイントの増加。「無料の電子書籍のみを利用している」は24.7%で0.8ポイント増加した。
有料電子書籍の利用率が高いのは男性30代の27.2%、男性20代の25.2%、女性30代の23.6%、男性40代の22.6%。無料電子書籍のみの利用率が最も高いのは女性10代の38.9%で、男性10代の30.8%、女性20代の29.2%、男性20代の28.2%と続くが、ほとんどの年代で昨年調査時よりも有料での利用率が増加している。
電子書籍を利用しているサービスやアプリでは、「Kindleストア」が26.2%で最も高く、2位は「LINEマンガ」25.0%、3位は「ピッコマ」15.1%、4位は「少年ジャンプ+」14.4%、5位は「楽天Kobo電子書籍ストア」13.6%。
電子書籍の利用率調査はスマートアンサーの保有するモニターを対象に、有効回答数1万1017サンプル。調査手法はスマートフォン・タブレットのアプリ上でのアンケート、調査期間は2020年6月26日~7月12日。
電子書籍利用実態調査は利用率調査で電子書籍を利用していると回答した人を対象に、有効回答数3467。調査手法はスマートフォン・タブレットのアプリ上でのアンケート、調査期間は2020年7月7日~14日。
調査報告書はA4判/282㌻。価格はCD(PDF)版、ダウンロード版6万8000円(税別)、CD(PDF)+冊子版7万8000円(税別)。