【関西】燃焼社(大阪市・藤波優社長)は9月1日、落語家の四代目桂文我さんが毎年1席ずつ、日本最古の歴史書『古事記』を落語として演じてきた6席分を文章化した『桂文我の落語版「古事記」』を初刷3000部で発刊した。
文我さんは、江戸時代に解説本『古事記伝』を記して改めて『古事記』に光を当てた本居宣長を輩出した三重・松阪市出身。
古事記編纂1300年を機に、『古事記』上巻の神話の時代、伊邪那岐・伊邪那美による日本の国の誕生、大国主神による国づくりや国譲りなどを、時折現代の小噺を差しはさみながら、落語口調で荒唐無稽な世界を堪能できる。
また、巻末に本居宣長記念館の吉田悦之名誉館長や、相愛大学人文学部の千葉真也・山本幸男両教授との対談を収録している。
同社・藤波社長は、「落語と古代をつなぐ内容は類書が見当たらない。『古事記』の入口として楽しめる内容。落語や歴史関連コーナーで展開してほしい」と推奨する。
□A5判/208㌻/本体2000円
【櫻井俊宏】