トーハンは9月18日、本社8階大ホールで創立71周年記念式典を開催した。同社・近藤敏貴社長は「出版流通を持続可能な形に変えていかねばならない」と所信を述べ、「物流危機を克服し、目指すべきマーケットイン型出版流通を創り上げるため、議論を深めていってほしい」と社員に呼びかけた。
今回の式典は、新型コロナウイルス感染予防のため密集を避け、会場の出席者を絞り、オンラインで全国の拠点を結び同時配信が行われた。
近藤社長のあいさつ要旨は次の通り。
近藤敏貴社長あいさつ(要旨)
創立71周年にあたり、長年にわたるお取引先のご支援に心から感謝したい。
コロナ禍で予断を許さない状況が続くが、これを機に人々が本と向き合う流れも生まれている。書店様も負のスパイラルを食い止める決意を新たにされており、我々もこの熱い思いに応えていこうではないか。
そのためにも、出版流通を持続可能な形に変えていかねばならない。当社が積極的に問題提起を行ってきたことで業界全体に理解が広がり、改革への機運はさらに高まってきている。これからもトーハン会エリア代表者会議などを通じて、全体最適の視点から議論を喚起していく。当面する物流危機を克服し、目指すべきマーケットイン型出版流通を創り上げるため、社員の皆さんも当社の目指すところを真摯にお客様にお伝えし、議論を深めていってほしい。
事業領域の拡大についても、先般の社内公募では100件を超す意欲的なアイデアが上がっており、大変頼もしく思っている。社内投票率の数字からも、皆さんの関心の高さがわかる。可能性を信じて一緒にチャレンジしていきたい。
現本社で迎える創立記念日は今回で最後となり、来年からは新社屋であらたな歴史を積み重ねていくことになる。75周年の「REBORN」達成に向けて、全社一丸となって走り続けよう。