高橋書店の2020年版「日記・手帳店頭展開コンクール」で、旭屋書店池袋店(東京・豊島区)が大賞を受賞した。同店では手帳売り場を移設するとともに、本部と協力して統一感のあるパネルを作成して展開。これらが功を奏し、昨年12月単月で120%の売り上げに。前年対比116・0%、返品率24・5%の実売増、返品減となったことが評価された。
旭屋書店池袋店は、巨大ターミナルの池袋駅に直結した東武百貨店の7階に、ワンフロア(約250坪)でかまえる。客層は百貨店を利用するやや年配の女性が多く、夕方になると会社や学校帰りのお客も増える。
書店フロアの周囲は、スターバックスコーヒーやJINSなど人気テナントが軒を並べ、商業施設ルミネとも自由に行き来できる。そのフロア内にあるエスカレーター横、エレベーター正面の催事スペースは、人通りも多く、書店の利用者以外にも訴求できる。
池袋店を任されて3年となる忠田邦彦店長は、「そこの価値をより上げるために何かできないか」と模索。従来置いていたカレンダー、暦、家計簿などと一緒に、同じ季節商材の手帳もそこで売ることを決め、その狙いが的中した。
成功の秘訣は「季節商材コーナー全体の統一感を大事にした」ことだ。旭屋書店本部にある各店舗をバックアップする組織「MKチーム」と連携し、遠くにいるお客からも視認できるような、インパクトのあるパネルを作成。「2020旭屋書店」と大きく書かれた腰巻きのパネルを、季節商材が並ぶ棚にそれぞれ設置した。それがコーナー全体の統一感を生み、それぞれの商材に相乗効果をもたらした。
「今回の成功は私だけでなく、池袋店の従業員や本部ら『ALL ASAHIYA!』で取り組んだ結果」と忠田店長。そう言うとおり、池袋店の成功は21年版から旭屋書店全店に広がる。今年は各店がより「統一感」を持った売り場で、年末の日記・手帳商戦を迎える。
昨年から、文具店などでよく見られる黒いゴンドラ什器を導入するなど、店内の活性化にチャレンジを続けている忠田店長。「今年も統一感や秩序を念頭に、日記・手帳コーナー自体の価値を上げていきたい」と力を込める。