創元社(大阪市・矢部敬一社長)は9月15日、シリーズ累計30万部を数える化学図鑑3部作(『世界で一番美しい元素図鑑』『世界で一番美しい分子図鑑』『世界で一番美しい化学反応図鑑』)の続編、『世界で一番美しい「もの」のしくみ図鑑』を発刊した。
著者はシリーズ3部作で元素の構造や特徴を、美しい写真とユニークな語り口で解説してきたセオドア・グレイ。同書ではグレイ氏が子どもの頃から収集してきた「鍵」や「時計」、「はかり」ほか身の回りにある「もの」のしくみを解き明かす。
『世界で一番美しい』という表題通り、黒を背景にした美しい写真が精密機械の構造を浮かび上がらせる。また、ものづくりの社会構造まで踏み込んだ視点は独自のユーモアにあふれ、写真集としても読み物としても手元に置きたくなる内容。
第1章はモノの内部構造が見えるスケルトン家電。近年ますますブラックボックス化する電話やパソコン、ゲームコントローラーなどを、あえて透明で中身を見せることで機械としての魅力が伝わる。
「鍵」の章では南京錠からダイヤル式、指紋認証、暗号システムまで、「時計」の章では日時計から砂時計、振り子時計、デジタルウォッチ、最高精度の原子時計まで、その構造を解説する。
同社企画開発部の橋本隆雄課長は、「これほど多くの『機械』の数千年前にわたる進化の変遷を解説する図鑑は類を見ない。美しいビジュアルと面白い解説を踏襲するシリーズの正統な続編として4作品で店頭展開してほしい」と語る。YouTubeで、紙面をめくって見せる動画を公開している。
□A4判変型/上製/256㌻/本体3800円
【櫻井俊宏】