角川武蔵野ミュージアム 「本棚劇場」の配架作業を公開、11 月6日の本格オープンを前に

2020年10月26日

貴重な蔵書の配架作業が進む「本棚劇場」

 

 KADOKAWAと埼玉県所沢市が共同で整備を進める「ところざわサクラタウン」。その一角にある「角川武蔵野ミュージアム」(角川文化振興財団運営)も11月6日、グランドオープンを迎える。そのミュージアム内にある高さ8メートル、360度本棚に囲まれた「本棚劇場」も見所の一つで、先日、約3万冊を蔵する巨大本棚の配架作業がマスコミに公開された。

 

 同ミュージアムは、世界的建築家の隈研吾氏が手掛けた図書館・美術館・博物館が有機的に結合した文化複合施設。その中にある「本棚劇場」も、同じく隈氏がデザイン設計。違い棚のように互い違いに複雑に入り組み、立体的、流動的に連なっていて「脳の構造をイメージ」した造りになっている。

 

 また、この「本棚劇場」の大きな特徴は、3台のプロジェクターを使って8メートルの本棚に投影されるプロジェクションマッピング。「本と遊ぶ、本と交わる」をテーマに、アナログとデジタルが融合した演出ができるようになっている。そして、本棚の高所部分には、角川書店創業時に縁の深かった作家らから寄贈された本が並ぶ。

 

 入り口付近の棚は、文芸評論家の山本健吉氏からの寄贈蔵書が、左側8メートルの棚には創業者の角川源義氏の個人蔵書が置かれる。さらに、入り口正面のキャットウォークから上層部分は、歴史学者の竹内理三氏、沖縄学研究者の外間守善氏の寄贈蔵書が左から右へと並ぶ。

 

 「本棚劇場」の蔵書数は約5万冊となるが、配架は3万冊。そのうち約2万5000冊が個人蔵書で、残りの5000冊が角川の刊行物となる。