奈良・正倉院に伝わる宝物を紹介する「第72回正倉院展」(特別協力・読売新聞社)が10月24日、奈良国立博物館(奈良市)で開幕した。今回は、事前予約が必要な日時指定入場制を導入し、1時間あたりの入場者数を昨年の約5分の1となる約260人に制限するなど、新型コロナウイルス感染防止対策を徹底する中での開催となった。
初出展4件を含む59件の宝物が公開された。展示品の中には、鎮静効果を持つ漢方薬とされる象の歯の化石「五色龍歯(ごしきりゅうし)」など、病苦との闘いを伝える8種類の薬もある。来館者は検温や手指の消毒を行ったうえで会場に入り、名宝の数々に見入っていた。
読売新聞社は開幕日の朝刊で特集記事を掲載し、タブロイド判PR紙(4㌻カラー)を24万7000部発行。会場で「読売KODOMO新聞」「読売中高生新聞」「読売新聞」それぞれの題字がついたタブロイド判の新聞を配布したほか、希望する全国の小中学校に送った。正倉院宝物について学べるクイズやすごろくを掲載し、学校でも自宅でも楽しめる内容になっている。
当日券はなく、前売日時指定券は、開幕までにほぼ完売した。会場で観覧できないファンたちのために、読売新聞オンラインの特設サイトでは、館内で展示されている宝物を紹介した動画「第72回正倉院展を巡ろう」を配信している。会員登録すると、より詳しい「バーチャルツアー」も体験できる。
正倉院展は11月9日まで。