中日新聞社と名古屋市教育委員会は10月26日、名古屋市立の学校教育の現場で子どもたちが地域や社会への関心を育むことを目的に、協定を締結した。国の「GIGAスクール構想」で小中学生に1人1台ずつ、タブレットなどの情報端末が配備されるのに合わせ、中日新聞社が学校教育向けのニュースサイト「中日新聞@School(アットスクール)」を来春に開設する。
今回、両者はで「学校における新聞等を活用した教育活動推進のための連携と協力に関する協定」を締結した。名古屋市立小・中学校などで、主体的・対話的で深い学びを進め、生きる力を育み、地域や社会への興味・関心・愛着を持ち、学ぶ意欲に満ちた子どもを育むことが主な目的。
名古屋市内の小中学生が使っている情報端末から、中日新聞の新しいニュースサイトにアクセスできるようにする。地元地域のニュースを中心とした内容を子どもたちに読んでもらい、新学習指導要領で重視される情報活用能力を育んでいくとしている。
中日新聞社編集局教育報道部によると、新サイトは子どもたちが学校現場で「毎日開きたくなる」をコンセプトに制作・運営する。地元のニュースを中心に配信し、読み物、キャリア教育に関する企画なども掲載する。教材として使えそうな写真、動画も見られるようにする。
26日には名古屋市役所で調印式が開かれ、中日新聞社・大島宇一郎社長と名古屋市教委の鈴木誠二教育長が協定書に署名した。
地元のニュースを分かりやすく発信
大島社長のコメントは次の通り。
私どもは名古屋を拠点に130年以上にわたり、日刊の新聞を発行し、地域報道に力を入れてきた。この歴史と実績を、名古屋市教育委員会にお認めいただいたと伺っている。協定締結で、この地域の学校教育の発展にいっそう貢献できるよう努めていく。
「GIGAスクール構想」で、タブレット端末が1人1台ずつ使用できる環境が整うことは、学校現場だけでなく、日本社会に大きな変化をもたらすだろう。来年春に開設する学校教育用のWEBサイト「中日新聞@School」は、朝、新聞の朝刊を開く時のワクワクする気持ち、「さあ、一日が始まるぞ」という感覚を、子どもたちにタブレットで味わってもらうことを目指す。
中日新聞の「学ぶ」面や小中学生向けの週刊新聞「中日こどもウイークリー」を編集している教育報道部が核となり、地元を中心としたニュースをわかりやすく発信する。「中日新聞@School」を通じて、子どもたちが社会の仕組みや課題を知り、自ら解決していく、そういう力をつけていくことを強く願っている。