童心社が1967年に刊行したあかちゃん絵本『いないいないばあ』──。世代を超えて長く読み継がれてきたこの絵本が、11月24日の重版で700万部を突破した。同社によると、日本の絵本で700万部を超えるのは、翻訳絵本を含めて、これが初めて。それを記念し、同じく24日に『いないいないばあ』の絵本と、登場するキャラクター「にゃあにゃ」のゆびにんぎょうをセットにした新商品も発売した。
『いないいないばあ』(ぶん・松谷みよ子、え・瀬川康男)は、今年で53年目となるロングセラーの絵本。当時、「あかちゃんのための文学を」と作家・画家・デザイナー・編集者が一体となって作った、日本初の本格的なあかちゃん絵本だ。
多くの人に読まれてきたこの絵本が、11月24日に4万部重版し、339刷、計701万7500部となった。そして、同日の取次搬入で新商品「いないいないばあ にゃあにゃのゆびにんぎょうセット」も発売した。
セットには『いないいないばあ』1冊に、絵本に登場している「にゃあにゃ」を模した手のひらサイズ(13㎝)のゆびにんぎょう1体がつく。プレゼント向けのギフトBOX入りで、初版1万部。
童心社販売部広告宣伝グループの花島文奈氏によると、歴史のある『いないいないばあ』で、にんぎょうとセットにした商品を出すのは初めて。
「出産祝いで『いないいないばあ』を贈る人も多い。自身があかちゃんと読んだという良い経験から友人に贈ったり、祖父母があかちゃんへの初めてのプレゼントにしたりする」という。また、「この絵本にまだ出会っていない人も、ゆびにんぎょうで〝いないいないばあ〟と遊びながら楽しめるセットなら贈りものに、と書店で手に取ってもらえるのでは」と期待する。
プレゼントにぴったり「クリスマス商戦で展開を」
これからのクリスマス商戦、やはりロングセラー絵本がプレゼント用によく購入される。『いないいないばあ』を含む「松谷みよ子 あかちゃんの本」シリーズも、同書を含む3冊セット「松谷みよ子 あかちゃんの本 Aセット」(本体2100円、数量限定メッセージカード付)や、全巻セット(本体6400円)が売れ筋商品。「年末のプレゼントシーズンに向けて、3冊セットやゆびにんぎょうセットなどを、ぜひ一緒に展開してほしい」と書店に呼びかけている。
また、同社では今後、今回の700万部突破を機に、書店員や識者、読者など幅広い立場の人たちからの『いないいないばあ』への思いやエピソードを広く紹介するなど、もっと多くの人たちにこの本の魅力を知ってもらうためのPR施策を進めている。
『いないいないばあ』=21×18・6㌢/20㌻/本体価格700円
「いないいないばあ にゃあにゃのゆびにんぎょうセット」=絵本1冊、ゆびにんぎょう1体/本体価格2700円
【増田朋】