ジュンク堂書店難波店(大阪市中央区・福嶋聡店長)は11月から、語学書のライバル出版社同士が他社の本を推薦するという珍しいフェアを催し、来店客の目を引いている。
コロナ禍で訪日外国人が減少し、また、語学試験の開催延期なども重なり、店頭での語学書売上が減少していることを踏まえ、語学書の出版で知られるクロスメディア・ランゲージ営業部の秋元理志さんが同店にフェアを提案。同店語学書担当の野坂匡樹さんが快諾し、「語学書出版社13社合同『他薦』フェア」が実現した。
クロスメディア・ランゲージの呼びかけで13社が賛同。今回は英語書に限定し、1社につき「他社の英語書だけど、実はオススメ」2点を推薦する。参加出版社は、IBCパブリッシング、明日香出版社、アルク、研究社、語研、コスモピア、三修社、Jリサーチ出版、ジャパンタイムズ出版、大修館書店、DHC、ベレ出版、クロスメディア・ランゲージ。
意義深い企画で店頭活性化
難波店から始まった今回の企画は広がりを見せ、関西では同書店大阪本店やMARUZEN&ジュンク堂書店梅田店、丸善京都本店など、東京でも丸善丸の内本店やジュンク堂書店池袋本店など計10店舗で開催している。
野坂さんは「普段はライバル同士の出版社が『他社の本を推薦する』という発想が面白く、協力してひとつのフェアを作り上げることは非常に意義深い。こんな時に力を貸してくれる語学書版元各社は書店にとって頼もしい存在」と話している。
【堀雅視】