日本文学振興会(理事長=文藝春秋・中部嘉人社長)は11月13日、第68回菊池寛賞を発表し、「秋田魁新報イージス・アショア取材班」などが選ばれた。
菊池寛賞は、芥川賞や直木賞を主催する公益財団法人日本文学振興会が、文学や映画・演劇、新聞、放送、出版など文化活動全般で優れた業績をあげた人や団体を顕彰している。
秋田魁新報社は2019年、秋田市などが候補地となった地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の防衛省報告書に誤りがあるのをスクープした。取材班は同年の新聞協会賞、日本ジャーナリスト会議(JCJ)賞も受賞している。
同振興会は授賞理由を「17年の配備計画浮上後、地元紙として計画の妥当性を調査・検証。防衛を専門とする記者がいない中、地道かつ多角的な取材で現地調査のずさんな内容を暴く。本年、同計画は断念に追い込まれた」としている。
同賞にはそのほかにも、作家の林真理子氏、佐藤優氏、写真家の篠山紀信氏、滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールが選ばれた。
なお、贈呈式は受賞者関係者のみで行い、祝賀パーティーは新型コロナウイルスの感染拡大の状況を踏まえ、今年は開催を中止する。12月中旬に受賞者の業績や受賞の言葉を、同振興会のウェブサイトに掲載する。