ポプラ社、今人舎など共催 第1回「SDGs全国子どもポスターコンクール」 第2回は来年4月から募集開始

2020年11月25日

入賞作品を掲げる最終審査員。左から小島氏、津久井氏、稲葉氏、きむら氏、渡邉氏、千葉氏

 

 第1回「SDGs全国子どもポスターコンクール」の審査員賞(優秀賞)8点、テーマ賞(佳作)34点、黒田征太郎コラボ賞1点、全43点の受賞作品が10月29日に発表された。同コンクールはSDGs全国子どもポスターコンクール実行委員会が主催し、ポプラ社や今人舎など共催、外務省と国立市が後援。同コンクールには新型コロナウイルスによる休校の時期と重なる中、小学校54校1845点、中学校37校667点の応募があった。

 

 受賞作品や審査委員のコメントは、共催団体のNPO法人子ども大学くにたち、ポプラ社のウェブサイトで公開している。なお、第2回の開催も決定し、作品募集は来年4月から開始する予定。

 

全国の小中学校から2500点以上の応募

入賞作品はポプラ社などのウェブサイトで公開している

 

 同コンクールでは、小中学生がSDGs(持続可能な開発目標)の17目標から描きたいものを1つ選び、達成したい想いをポスターに描いた。小中学生がSDGsについて調べたり、考えたりするきっかけとなり、SDGsの推進へとつながることが同コンクールの狙い。

 

 初めての開催にもかかわらず、全国の小中学校から2500点以上の作品が集まった。最も多く応募があったのは、目標14「海の豊かさを守ろう」の785点(31.5%)。それに対し、最も少なかったのは目標8「働きがいも経済成長も」の11点(0.4%)だった。

 

子どもたちが描くSDGs、入賞作品43点を選定

一次審査を通過した約370の作品の中から入賞作品を選出した

 

 同13日に都内の新宿区立新宿歴史博物館で行われた最終審査では、一次審査を通過した約370作品の中から選考を行った。

 

 最終審査員は、稲葉茂勝氏(実行委員長)、片岡輝氏(作詞家)、きむらゆういち氏(絵本作家)、小国立市教育委員会(担当:小島章宏氏)、永見理夫氏(国立市市長)、千葉均氏(ポプラ社社長)、津久井惠氏(編集者)、渡邉優氏(日本国際問題研究所客員研究員)の8人。

 

 各審査員が1点の審査員賞(優秀賞)を選び、テーマ賞(佳作)は17目標ごとに小学生と中学生の応募作品からそれぞれ1点を選出した。

 

ポプラ社「SDGsのきほん」シリーズ、17の目標を1冊かけて解説。今年6月~来年3月まで毎月刊行

 

 また、特別企画の「黒田征太郎コラボde show」では、「SDGsのきほん」シリーズの装丁画を手掛けた画家・黒田征太郎氏が、応募作品に筆を加え、コラボ作品を制作。それらの作品の中から、最終審査員が1点を選んだ。

 

稲葉氏「SDGsを全国に広げる」

ポスターコンクールを企画した実行委員長の稲葉氏

 

 同コンクールは稲葉氏が千葉氏に相談したところ、日本にSDGsを広げていくことで意見が一致し、企画が動き始めたという。

 

 「当初、作品応募数は多めに見積もって300点くらいかと思っていたが、最終的には2512点の応募作品が集まった。応募は全国各地、北は北海道の襟裳岬(えりもみさき)、南は沖縄県の離島・竹富島から送られてきた」と笑みを浮かべ、参加校が全国に広まったことを喜んだ。

 

千葉氏「出版業界にもSDGsの考え方を」

ポプラ社・千葉氏

 

 ポプラ社社長の千葉氏は「元々、SDGsには関心を持っていて、稲葉氏から話を聞き、子どもの学びを第一に考え、今回のコンクールに取り組んだ。世界的な問題はいろいろな立場で考え、さまざまな角度から見なければ解決できない」と話した。

 

 そのうえで「人の成長とともにSDGsの見方は変わってくる。子どもたちがSDGsについて考え、悩みながらポスターを描くことは、学びのよいきっかけになる。コンクールは今後も継続していきたい」と意気込んだ。また、出版業界についても言及し、「SDGsは素晴らしいテーマだ。この考え方を導入しないと私たちの業界も絶対に良くならない」と述べた。