日本実業出版社は10月29日、玉置妙憂『心のザワザワがなくなる 比べない習慣』を発売した。発売に先立つ同21日、東京・港区の文喫で玉置さんのトークイベントを開いた。ゲストにコラムニストで漫画家の辛酸なめ子さんを迎え、「つい比べてしまう悩み」をテーマに、人と比べることのメリット・デメリットや自分の軸で生きることの大切さなどについて語り合った。
トークイベントのライブ配信も行われ、お悩み相談では会場の参加者だけでなく、オンラインの参加者からも相談が寄せられた。
著者の玉置さんは女性僧侶で現役の看護師。非営利一般社団法人「大慈学苑」を設立し、スピリチュアルケアに力を注いでいる。同書では、他人と自分を比べて自信を無くし、卑屈になってしまう負の無限ループから抜け出すコツを紹介。嫉妬したり落ち込んだりする「悪い比べる」を減らし、心が満たされる「いい比べる」を増やす生き方を綴っている。
トークイベントのお悩み相談で、「SNSのフォロワーや『いいね』の数を気にするあまり、楽しみたいのに辛い思いをしている」という声が寄せられた。
玉置さんは東日本大震災が起こったとき、都内でうつ病が増えたことをあげて「当時、精神科医の先生は悲惨な情報を伝えるテレビから離れるようにアドバイスをしていた」と紹介。「現地で被災していた人には当てはまらないが、距離がとれるものであるのなら、離れるのが何よりの回復方法となる。SNSについても同様で、辞める勇気、離れる覚悟をもってほしい」と述べた。
辛酸なめ子さんが「現代人は情報に対する禁断症状があるのではないか」と質問すると、玉置さんは「SNSから離れる時間を意識的に作ったり、自分自身で無理であれば、誰かの力を借りるのもいい。たとえば仏教の修行なら強制的に離れることができる。手段がないわけではない」と話した。