ADKマーケティング・ソリューションズとADKクリエイティブ・ワン発のクリエイティブブティックCHERRYの2社は、東京新聞(発行元:中日新聞東京本社)と共同で、ユニバーサルデザインの扇子「hirari」を開発し、12月3日の東京新聞紙面上で発表した。
共同開発した扇子「hirari」はハンディキャップを持つ人を含め、誰もが使いやすいユニバーサルデザインを採用したもので、東京新聞の企画「HEART&DESIGN FOR ALL」にADKグループが共鳴し、生まれたプロダクト。今後、紙面に登場した人たちへ扇子をプレゼントし、実際に使用した様子を来年3月の東京新聞紙面で報告をする予定だ。
東京新聞の同企画では「誰もが暮らしやすい社会の実現へ」をスローガンに掲げ、さまざまな企業・自治体のユニバーサルな商品やサービスについて紹介を行ってきた。今回、その理念をより多くの人に広げるために、取材を通して出会った人々と共同でひとつのプロダクトを制作し、カタチあるものとして届けることに挑戦した。
一般的な扇子は扇面が蛇腹状になっているが、「hirari」は少ない力でも開閉がしやすいよう、扇子の原形とも言われる「檜扇(ひおうぎ)」の構造をベースとしている。45枚の紙が重なるようにして折りたたまれており、片手で開閉できる点が特徴だ。また、通常の扇子よりも大きくて丸みのある持ち手にすることで、手にフィットするデザインとなっている。
制作するプロダクトを決定するのにあたって、「誰もが使いやすいもの・日常的に使うもの・愛着が持てるもの」という3つの基準を設け、候補の中から「持ち歩けるので愛着がわきやすい」「扇面や形状に、まだデザインの余地があるのでは」といった理由から扇子を選定した。
製作に着手する前に、ユニバーサルデザインの知見を持つミライロの協力を得て、ハンディキャップを持つ人へのアンケートを実施。それぞれの項目で最も回答の多かった「開閉のしやすさ」「片手での開閉」に着目し、試作品を製作。それらをもとに意見を聞き、改良を重ねていった。
扇子の組み立ては、就労継続支援事業所の「ワクわーく」に依頼。扇面と親骨を糸でつなぎ、要を留める仕上げなどは、すべて手作業で行っている。