増進堂・受験研究社 「老舗のベンチャー精神で最良の学び届ける」

2020年12月18日

130 周年の記念サイト

 

 1890(明23)年に創業した増進堂・受験研究社(大阪・岡本明剛社長)は創業130周年記念サイトを開設、その歴史を振り返り、多くの有識者らが祝辞のメッセージも寄せている。

 

創業130周年記念サイト開設

 

 同社は、初代・岡本増次郎氏の名前を一字とって「岡本増進堂」として創業し、当初は教養や趣味の本、講談小説を出版。大正時代になり学習参考書を始め、併用商号として「受験研究社」が誕生した。

 

 小中学用の参考書、問題集に注力し、当時としては珍しい書き込みができる大判のプリント形式も取り入れた。戦時中は紙の消費量を抑えるため理工書や文芸書を出版し、戦後は学習関連書を再開、復員兵の就職支援のため公務員や就職試験の問題集なども手掛けた。

 

『自由自在』LINEで新サービスも

 

 1953年、同社の代表作ともいる『自由自在』シリーズを刊行。創刊67年、2600万部を超すロングセラーとなり、今年は小学英語もスタート。また、LINEと連携する新サービスも始めるなど進化を続けている。

 

「次の100年も挑戦と創造続ける」 と話す岡本専務

 

 同社・岡本泰治専務は文化通信の取材に「130年の間、戦争、恐慌、震災など色々なことがあったが、その度に知恵を絞り、自己を変革しながら、教育一筋に業歴を重ねてきた。ひとえに読者をはじめ、書店、多くの関係者と共に歩ませていただいたおかげ。その軌跡を振り返り、感謝の気落ちを伝えたい」と記念サイト開設の意図を話す。

 

 130周年の企画として、『科学のなぜ?新辞典』(18年刊行)の続編を、読者から募った「疑問」で出版するプロジェクト「なぜ?プロ」と、同社の象徴「馬のマーク」にちなんだイメージキャラクターを募集した「キャラ☆コン」を展開(両企画とも締切終了)。

 

 記念サイトには、両企画の選考の様子、結果も掲載。「なぜ?プロ」は、『科学の―』監修者、東京理科大学・川村康文教授も選考に参加した。

 

 また、東京理科大学・秋山仁特任副学長や教育家の小川大介氏、中部大学・深谷圭助教授ら多くの有識者が、「自由自在」を活用したエピソードや思い出とともに、今後も同社が教育界に貢献する期待のメッセージを寄せている。

 

 岡本専務は「今後も教育は日本の未来を作る大切な仕事であることを自覚して取り組んでいく。『すべての学ぶ人に、最良の学びを届ける』という当社のミッションのもと、『老舗のベンチャー』精神を持って挑戦と創造を重ねながら社会に貢献していきたい」と語っている。

 

▽記念サイト= https://www.zoshindo.co.jp/special/130th.html