木立の文庫 読者と著者をつなげる取り組み開始

2020年12月22日

『バンヤンの木の下で 不良外人と心理療法家のストーリー』

 

 木立の文庫(京都市・津田敏之社長)は、著者と読者を直接つなげる取り組みを始めた。このほど刊行した『バンヤンの木の下で 不良外人と心理療法家のストーリー』(池見陽・エディ・ダスワニ)と『みんなのひきこもり つながり時代の処世術』(加藤隆弘)の2作品に特製しおりを入れ、QRコードを読み込み、読後メッセージを送ることができる。

 

 メッセージが集まると、それぞれの著者が返信。そのやりとりはメディアプラットフォーム「note」で公開する。津田社長は「本は媒体であり仲介人。著者と読者が出会える環境を作りたかった」と話している。

 

 『バンヤンの木の下で 不良外人と心理療法家のストーリー』は、神戸で育ち、東南アジアや中東、ヨーロッパを放浪した非行少年エディの波乱万丈の実話を、幼馴染で心理療法家の池見氏が聞き取り、20年かけて追体験をしながら小説に仕上げた。

 

 津田社長は、「書店では小説や心理療法、若者の自己啓発など多面的に展開していただいている」という。

 

 一方、『みんなのひきこもり つながり時代の処世術』は、九州大学病院のひきこもり専門医として長年当事者や家族の支援に携わってきた著者が、ひきこもりへの理解や対処法を中心に、コロナ自粛のなかで心身の健康を保ち、「病的ひきこもり」に陥らない工夫や、家族・支援者とともに脱する道を探る。

 

 また、“みんな目線”の同調圧力の中でも一人でいられる処世術、自分の内面に向き合う大切さを伝える。NHK『きょうの健康』に著者の加藤氏が出演して大きな反響があり、刊行1カ月で2刷となった。

 

 □『バンヤンの木の下で 不良外人と心理療法家のストーリー』=新書判/並製/400㌻/本体1800円

 

 □『みんなのひきこもり つながり時代の処世術』=四六判変型/並製/224㌻/1800円