大日本印刷(DNP)は1月18日、AIが読者の好みを診断して最適な記事を抽出する会員制サービスを開発したと発表した。第1弾として、ゴルフ専門出版社のゴルフダイジェスト社と協業し、会員制サービス「Myゴルフダイジェスト」を立ち上げ、無料版の提供を開始した。
DNPによると、雑誌の発行部数の減少が続くなか、出版社はデジタルメディアを生かして生活者にさらなる価値を提供する取り組みに注力している。その一環として、出版社が自社コンテンツをウェブ記事として提供する月額課金制(サブスクリプション)の会員サービスが拡大している。
しかし、同様のコンテンツが多いなかで、自社コンテンツの特長をアピールして差別化を図っていく必要があるとして、「こうした課題に対して、会員となる読者が登録した悩みや好みのデータを基に、マッチングエンジンが多くの記事の中から最適な記事を抽出して提供する会員制サービスを開発した」という。
両社は今後、30~50代の熱心なゴルファー層をターゲットに「Myゴルフダイジェスト」を展開。会員同士のコミュニケーション機能や動画コンテンツなど、サービス内容を拡張しながら、会員数拡大を目指す。
また、DNPは多くの出版社と、出版コンテンツを継続的・多角的に活用していく「コンテンツ・ライフサイクル・マネジメント(CLM)」を推進しており、パーソナルデータに基づく最適な記事提供を可能にするこのサービスも、オートバイやキャンプ、サーフィンなどアクティブな趣味のジャンルに展開していく。なお、DNPは会員制サービス関連で、5年後に20億円の売り上げを目指すとしている。