文化通信社「ギフトブック・キャンペーン2020」 カタログ20万部、プレゼント応募18万超

2021年2月5日

 文化通信社は2020年11月1日から2カ月間にわたり、全国の書店約1500店で「ギフトブック・キャンペーン2020」を展開した。実施店ではフェア展開書目の売れ行きが良好だったほか、店頭での購入者が応募できるプレゼント企画には書店の積極的なアピールで多くの応募者があった。

 

大きくコーナー展開した大垣書店京都本店

 

 同キャンペーンは、「本の日」実行委員会の協賛、日本出版販売(日販)、トーハン、楽天ブックスネットワーク、中央社、プレゼント品提供企業などの協力で実施した。

 

 参加書店で『ギフトブック・カタログ2020―2021』を20万部販売したほか、店頭で商品1000円以上を購入することで応募できるプレゼント企画には、協賛企業29社が2360品を提供し、応募総数は18万7350通にのぼった。

 

 『ギフトブック・カタログ』は阿刀田高、秋元康、茂木健一郎、磯田道史、木村佳乃といった著名人34人が選んだ贈りたい本102点を掲載。参加書店はポスター・POPなどを使った専用コーナーを設けて『カタログ』を販売(一部配布)したほか、カタログ掲載書目を揃えたフェアを実施した書店も多かった。

 

 参加書店に実施したアンケートによると、『カタログ』は回答書店の66%が有料で販売し、24%は販促品として無償で配布。販売した書店のうち17%が消化率100%だったのをはじめ、65%の書店が50%以上を消化した。

 

 コーナー展開では「自社の選書リーフレットも作成し、図書カードの販促にも絡めた」(三洋堂ホールディングス)、「拡材を目いっぱい使用し、赤が目立つよう工夫した」(金高堂・高知)といった取り組みが報告された。

 

赤を強調した金高堂の展開

 

フェア書目の販売3倍に

 

 掲載書目のフェアを実施した書店は55%。このうち大垣書店ではカタログ掲載タイトルの販売数が期間前の10月が528冊だったのに対して、11月は1675冊、12月は1526冊と約3倍に伸びた。ほかにも「フェア消化率は良く、半分以上が売れた。特に文庫商品は10冊以上売れたものもあった」(丸善名古屋本店)という反応もあった。

 

 このほか効果として、「『本の日』に合わせた特設売り場を毎年作成しているが、昨年比200%の売り上げとなった」(オー・エンターテイメント)、「通常売れないような書籍が売れ、お客様と本の出会いを演出できた」(有隣堂)といった声も多かった。

 

 キャンペーンに対する顧客の反応については、「良かった」が56%だった一方で、「良くなかった」は3%、「あまり良くなかった」も17%にとどまっており、「限定でカタログ配布を実施した店舗では若い方からも喜ばれた」(ブックエース)、「カタログを置いていない店舗からも問い合わせがあった」(紀伊國屋書店新宿本店)と手応えが報告された。

 

 プレゼント企画は97%とほぼ全ての参加書店がポスターやPOPなどを展開して実施。「競合店ではなく自店を選んで頂く要因になる」と評価する声があった。

 

 地域別では京都府と茨城県からの応募者が多かったが、これら地域で店舗展開する大垣書店(京都)やブックエース(茨城)では、レジで購入者に応募用QRコードの入ったチラシを配るなど積極的にアピールして成果に結びつけた。

 

プレゼンの応募も多かったブックエースのLALAガーデンつくば

 

 次年度もキャンペーンに参加すると答えた書店は70%に達し、カタログやプレゼント企画に対する期待や、リアル書店を活性化させる趣旨に賛同するといった声とともに、「他社の事例を参考にしてより効果を追求したい」と積極的な姿勢を示す書店もあった。

 

全国紙・地方紙に掲載

 

 メディアへの露出では、事前に「ダヴィンチニュース」などネットメディアで配信されたのをはじめ、朝日新聞が10月31日の全国版朝刊読書面と11月1日の全国版朝刊見開き2ページでキャンペーン関連の特集を掲載。同2日の読売新聞朝刊、同3日の毎日新聞夕刊、12月18日の東京新聞朝刊に掲載されたほか、神戸新聞、中国新聞など各地の地方紙でも取り上げられた。

 

 また、文藝春秋が文春オンラインの「文藝春秋Books」でキャンペーンを特集。光文社は選書された岡本太郎著『芸術と青春』(知恵の森文庫)の重版に伴いカタログ掲載コメントを使用した帯を作成した。

 

 SNSでは、各書店がキャンペーンに向けて「書店員が選ぶ」「出版社が選ぶ」おススメの本などを発信し、キャンペーンを盛り上げた。

 

ブックエース ギフトブック・キャンペーンのプレゼント応募で突出

 

朝日新聞社「ギフトブック・キャンペーン」とタイアップ、11月1日に全面広告特集

 

ギフトブック・キャンペーン開催、各書店でコーナー・フェアを展開