創元社 世界500万部突破の心理エッセイ『ぼく自身のノオト』復刊

2021年2月15日

『ぼく自身のノオト』

 

 創元社(大阪・矢部敬一社長)は1月14日、青年期の心の内面を綴った心理エッセイ『ぼく自身のノオト』(ヒュー・プレイサー/きたやまおさむ訳)を発刊した。

 

 同書は50年前にアメリカの小さな出版社から『NOTES TO MYSELF』として刊行された、無名の学校カウンセラーによる日記の抜粋で、改訂を重ねながら世界500万部を達成した。当時32歳だった著者が静かに自身の心を見つめ、ありのままの自分に立ち返って思索した日々を綴った。短いフレーズのなかで、生き方を確立する方法をさがし求める普遍的な要素が、多くの若者の心をとらえた。

 

 国内では1979年に人文書院(京都)から翻訳出版された。訳者のきたやまおさむ氏は71年に「戦争を知らない子供たち」で日本レコード大賞作詩賞を受賞し、現在は精神科医として活躍。33歳の若さで本書の翻訳を手がけた。

 

 約40年ぶりの新装復刻とあって、当時を知る人からの反響が多く寄せられている。編集局企画開発部の坂上祐介さんは、「巣ごもりを迫られ、自らの働き方や生き方を模索する若い世代にこそ読んでもらいたい。書店店頭では自己啓発やエッセイなど類書との併売、精神医学コーナーをお勧めしたい。中学・高校からの客注が増えている。セレクトショップの好意的な発信で発売後の反響も大きい」という。

 

□四六判上製/224㌻/本体1600円

【櫻井俊宏】