学研プラスと文理は2月3日、2021年度新学期「学参・辞典勉強会」を開催した。新型コロナウイルス感染拡大にともなう緊急事態宣言下であることから、初のオンライン発表となった。
まず、学研プラス・影山博之社長が、今年は中学校の新学習指導要領が全面実施となり、多くの商品が旧版から改訂新版への入れ替え作業が必要になることに触れ、「これを進めることで売り上げを確実に伸ばすことができる」と呼びかけた。前回の中学指導要領改訂時、4月の学参ジャンルの売り上げが前年比約120%だった。「それだけに、ぜひ新学期の増売につながる売り場づくりを」と語った。
文理・土屋徹社長も、5年ぶりとなる中学教科書改訂による新版に並々ならぬ意気込みをうかがわせた。「現在の公教育を取り巻く環境は刻一刻と変化しており、育や学習に携わる重要性と難しさを実感する」と、表情を引き締める瞬間もあった。
新型コロナウイルス感染拡大によって、昨年は学校も休校を余儀なくされたことから、家庭学習のため学習教材やドリル、教科書準拠商材が売り上げを伸ばしたことを振り返り、「さまざまな不安を抱えながらお客さまとのかけ橋になってくださった書店の奮闘のおかげ」と感謝を口にした。
そして、「今年は新しい価値を兼ね備えた改訂版の導入によって、さらなる市場を開拓し、増売というかたちで恩返ししたい」と強調した。
勉強会では、21年新学期の売り場づくりのポイントとともに、教科書準拠版、小学学参、幼児ドリル、中学学参、高校学参、語学・検定書、辞典についてそれぞれ昨年の動向を振り返りつつ、21年のアピールポイントを訴えた。
今回の中学校新指導要領実施では、授業時間数は変わらないものの、教科書は大判化に加えてページ数も増加する。新指導要領の求める「主体的・対話的で深い学び」に対応しつつ、「生徒だけでなく、特に若い先生にとっても使いやすい」内容となっている。
また、英語、数学では高校内容の学習項目が中学に降りてくること、英語は小学校でそれを学習していることを前提とした作りになっていることから、学習項目が増加しているという。
そのため、商品入れ替えに合わせた「中学準拠版・標準版改訂商品、改訂した中学辞典、新学期に売れる定番商品(ドリル・総復習モノ・準拠版参考書など)の展開の強化」が呼びかけられた。
特に、中学教科書ワークは、主要5教科のワークのうち3冊を購入し応募すると、抽選で図書カードネクストが当たる(応募期間:3月~6月末)「祝入学・進級!中学生応援キャンペーン」を実施する。複数冊購入が期待できることから、積極的な展開を狙いたいとした。
主要シリーズのひとつである『ニューコース』参考書も、人気のイラストレーターを起用しデザイン性を強化。勉強法や受験知識についてのコラムやマンガも掲載している。
改訂発売した『ジュニア・アンカー』『現代標準辞典』も、キャンペーンを実施。8点中2点を購入し応募すると、全員に図書カード500円分をプレゼントする(応募締切:6月30日)。『ジュニア・アンカー』はオールカラー化に加えて無料アプリも付き、英会話フレーズなどを音声で聴いたり、ゲーム感覚で単語を学べたりするようになっている。
こうしたリニューアルによって、「より現代の中学生と保護者のニーズに合わせたものとなっている」などと紹介した。