日本新聞協会の販売委員会は、小・中・高校生の子どもがいる30~40代で新聞を購読していない家庭を対象としたモニターキャンペーンを2020年9月から12月まで全国で実施し、その結果を2月18日に発表した。1カ月の試読期間後、モニターに聞いたところ、4割以上が「ほとんど毎日読んだ」と回答するとともに、26・5%が今後の「購読意向あり」と答えた。また、新聞のコンテンツやサービスへの要望も得られた。
モニターは小・中・高校生の子どもがいる家庭とし、期間中の1カ月間、新聞に触れてもらうことで、新聞閲読が子どもの学力向上に役立つことを理解してもらう機会の創出を目的とした。1カ月の試読期間後に、モニターに閲読状況や購読意向、新聞への要望などを聞いた。
有効回答3226人の内訳は男性1357人、女性1869人。年代別では、キャンペーンのターゲット層である40代が1722人、30代が929人で、30~40代がモニター全体の82・2%を占めた。
調査結果によると、親の閲読頻度を聞いたところ、43・6%が「ほとんど毎日読んだ」と回答し、週に1回以上読んだ人の割合は合わせて90・4%に上った。また、今後の新聞購読の意向は、「購読意向あり」が26・5%。「モニターとして新聞を読んでもらうことで、潜在的なニーズを掘り起こせる可能性があると評価できる。購読意向と閲読頻度の関連性をみると、親子ともに閲読頻度が高いほど購読意向が高くなることも示された」としている。
「今後、新聞購読を希望するか」との問いに購読意向を示した856人に、その理由を聞いた。回答は多い順に「記事の内容が読みやすいから」(32・5%)▽「子どもの教育に役立つと思ったから」(30・7%)▽「読み続けたい記事があったから」(13・0%)など。また、「週に1回以上読んだ」子どものいる家庭では、「子どもの教育に役立つと思ったから」(36・1%)が最も高い割合となった。
「ネットで十分だから」で購読せず
一方、購読を希望しない(1185人)理由は、「インターネットのニュースで十分だから」(27・3%)▽「新聞を読む時間がないから」(20・7%)▽「テレビのニュースで十分だから」(14・9%)▽「購読料が高いと感じるから」(12・5%)▽「読み終わった後の処分に手間がかかるから」(10・9%)となった。
コンテンツやサービスへの要望も聞いた(自由記述)。コンテンツは、インターネットには掲載されていない独自記事の充実に多くの要望が集まった。ニュースの背景を掘り下げる読み応えのある記事や、一つの事象に対する多面的な解説記事といった良質なジャーナリズムを求める声が多かった。
子ども新聞を購読中のモニターからは、一般紙上での子ども向けコンテンツや、受験・関連記事への要望もあった。このほか、地域情報、子育て・生活情報の拡充や、紙面にQRコードを掲載することでスマートフォンでも記事を読めたり、動画・映像などを閲覧できたりすることを望むモニターも多かった。
「まとめ読みできる新聞」の希望も
「新聞は読みたいが、読む時間がない。週1回の発行で記事をまとめ読みできる新聞があればよい」との意見は、多くのモニターから寄せられた。あわせて、カラーページ増、文字拡大、判型小型化への要望もあった。
サービス面では、購読料に言及するモニターが多く、購読期間に応じた割引や助成制度に言及した意見もあった。このほか、クーポンなどの特典への要望や、古紙回収の高頻度化を求める意見もあった。
また、新聞を読み続けたことで、かつてのイメージが変わったなどの「発見」の感想も寄せられた。