「NHKテキスト」シーズン到来 中学校で新学習指導要領実施へ、「基礎英語シリーズ」大リニューアル

2021年3月2日

3月31日までアーカイブ動画を配信中、視聴は登録制(https://shoten.nhk-book.co.jp/entry/)

 

 新年度のスタートに合わせ、今年もNHKテキストのシーズンが始まる。文部科学省の新学習指導要領の実施により、昨年度は小学校で英語が教科化されるなど、教育改革がスタートしている。2021年4月からは中学校の英語が大きく変わる。それに伴ってNHKテキスト「基礎英語」シリーズの内容も新学習指導要領に準拠した内容となる。このほか、3月発売分からテキストの本体価格改定が行われる。定期購読獲得の正念場となる4月に向けて、新しくなったNHKテキストの取り組みを紹介していく。

 


90周年のNHK出版 「変わりつづける。学びつづける。」

キャッチコピーは「変わりつづける。学びつづける。」

 

 NHK出版は例年、春の企画説明会で新年度のテキスト、注目の書籍などを紹介していたが、今年は新型コロナウイルス感染防止のため、2月9日と10日にオンラインで「NHK出版春の企画説明会」を開催した。

 

森永公紀代表取締役社長

 同社・森永公紀代表取締役社長は書店に向けたあいさつで「NHK出版は1931年にNHKがラジオ第2放送で語学講座がスタートするのにあわせ、テキストを出版したのが会社の始まりだった」と述べ、創業90周年を迎える今年度のキャッチコピーは「変わりつづける。学びつづける。」と発表した。

 

 また、今秋からNHKで、戦後のラジオ英語講座を題材とした連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」が放送されることを紹介。同番組は昭和・平成・令和の時代をラジオ英語講座と共に生きた祖母、母、娘3世代の親子を描いたハートフルコメディ。森永社長は「NHKテキストの追い風となってくれるに間違いない」と期待を寄せた。

 

教育改革で英語がますます重要に

2021英語講座レベル別講座一覧セレクトマップのサムネイル

「基礎英語シリーズ」が新ラインナップに

 

 21年度から中学校では新学習指導要領が全面実施となる。英語4技能(読む・聞く・書く・話す)が強化され、さらに英語の授業はすべてのやりとりを英語で行うオールイングリッシュが推進される。

 

 説明会では、語学編集部の湯原一憲部長が語学テキストの企画紹介を行った。21年度のNHKテキストは「基礎英語シリーズ」のラインナップが変わり、新番組が5講座スタートする。

 

 『小学生の基礎英語』(講師:居村啓子)は昨年度に英語が教科化された小学校5・6年生を購読者に想定。テキストは音声付きのドリル主体のため、テキストだけでも学べる内容になっている。

 

 『中学生の基礎英語レベル1』(講師:本多敏幸氏)の想定読者は中学生1年生、先取り学習に取り組む小学生や、シニア読者の学び直しの入り口にも使える。

 

 『中学生の基礎英語レベル2』(講師:高田智子氏)は中学生2・3年生向けで、先取り学習に取り組む中学1年生や20代以降の学び直し層にもおすすめ。新課程での中学文法事項の重要項目をすべて網羅し、4技能を伸ばしながら、基本となる文法力の地固めをはかる内容となっている。

 

 このほかにも新しく『中高生の基礎英語 in English』(講師:百瀬美帆氏)が始まる。同講座は新学習指導要領を見据え、ダイアログもその解説もすべて英語で放送される実践的なオールイングリッシュ番組。中学3年生から高校生、また教育現場など「オールイングリッシュ」に関心のある人を想定読者としている。

 

 新講座の『ラジオビジネス英語』(講師:柴田真一氏)は、これまで月・火曜日放送の『入門ビジネス英語』と水・木・金曜日放送の『実践ビジネス英語』が一つとなり、月~金曜放送の5日間の番組となったもの。

 

 なお、30年以上続いた『実践ビジネス英語』は3月で終了となるが、季刊ムック『杉田敏の現代ビジネス英語』を年4回(3、6、9、12月)、音声DL付きで刊行する。2021年春号は3月13日に発売する。

 

『ラジオ英会話』もリニューアル、テーマは「語順の文法」

 

4年目となる『ラジオ英会話』(講師:大西泰斗氏)

 

 また、4年目となる『ラジオ英会話』(講師:大西泰斗氏)がリニューアルし、今年度は「語順の文法」をテーマに、シンプルな「英語の語順ルール」を通じて高校レベルの文法を習得し、「自由自在に話す力」を身に付ける。語彙、発音、読解など講座を補完する連載も8本収載している。

 

 NHK講座では英語のほかにも9言語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、中国語、ハングル、ロシア語、アラビア語、ポルトガル語をラジオ/テレビ講座で学ぶことができる。また、今年は新しく『ステップアップ ハングル講座』(月刊)を創刊する。

 

新しいラインナップ 新聞・ウェブ広告で周知

 

2021年のスケジュール

 

 企画説明会で販促・定期購読などの施策について、セールス・プロモーション部の田中洋部長が説明を行った。

 

 21年度のプロモーション展開は、2月13日に発売した3月号テキスト紙面で、21年度の番組・テキスト・価格改定を案内した。4月号発売以降も新聞広告とウェブ広告で幅広い年齢層に周知を行う。新聞各社出稿は3月18日以降、電車広告展開は3月1日から4月末日までを予定している。

 

 また、昨年度に配布していたフリーペーパー「えらべるガイド」に替わる冊子として、タブロイド判「NHK英語テキストガイド2021春」を2月13日頃店着で、「NHKテキストナビ2021」を3月10日頃店着で発送する。

 

 書店でのテキストコーナーづくり、定期購読獲得の取り組みについて、田中部長は「コロナ禍の影響により、家でじっくりと何かを学ぶ、新しいことにチャレンジする人が増えた」と話し、『ラジオ英会話』『趣味の園芸』など前年の実売部数を上回る銘柄が多数あったと報告。そのうえで、「今年度も毎号購入する熱心な読者に強くアピールをお願いしたい」と書店に呼びかけた。

 

 また、同社はテキストコーナー用拡材「デコキット」を用意しており、昨年度593書店が参加した「テキストコーナー飾りつけコンクール」は、5月7日締切で実施する。あわせて「定期購読獲得コンクール」も実施し、5月31日締切となっている。

 

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