【NHKテキスト飾りつけ優秀店】金明堂書店京町店 特技を生かしたハンドメイドPOP 創作を楽しみ、全員の力を一つに

2021年3月2日

手書きの紹介文と手作りの人形を飾った ディスプレイ(金明堂書店京町店)

 

 2020年度「NHKテキストコーナー飾りつけコンクール」最優秀賞に選ばれた金明堂書店京町店は、長崎県・佐世保市にある売場面積30坪ほどの地元に根ざした「街の書店」だ。

 

 創業1930年(昭和5年)の老舗書店。従業員数は書店の店舗スタッフが6人、そのほかに官公庁や学校などの外商を担当する3人と事務の3人で運営している。

 

 同書店は長い歴史を持つ「させぼ四ヶ町商店街」に面し、アーケード街は連続している「させぼ三ヶ町商店街」を含めると日本一の長さを誇る。2016年11月に店舗をリニューアルし、新スタッフになってから「NHKテキストコーナー飾りつけコンクール」に参加している。

 

 店長の出田伸久さんは「4年くらい前からPOPに力を入れていこうとしたのがきっかけだった。いつも新鮮な気持ちで参加し、賞を狙うというより、自分たちが楽しんで創作すれば、結果としてお客様も喜んでくれるというスタンスだった」と語る。

 

 今回、20年度の最優秀賞に選ばれ、同書店のスタッフ一同で喜び合い、次も頑張ろうと励まし合った。出田さんは「時間が限られている中、皆で手分けをしながら、飾りつけしていった。スタッフ同士の仲が良いことも高い評価を得た理由の一つだ」と笑みを浮かべる。

 

左から木場伸子さん、和田美枝子さん

 

 スタッフの中で、飾りつけの中心的な役割を担ったのは、雑誌・実用書担当の和田美枝子さんと地図・旅行ガイド担当の木場伸子さん。旗振り役となった「POP文字」が上手な和田さんと、立体的な人形を作るのが得意な木場さんのもと、全員で協力しながらディスプレイを製作していった。20年度の飾りつけは初めてフェルトを購入し、手先の器用な木場さんが、NHK出版の拡材に描かれたキャラクターのフェルト人形を手作りした。

 

 POPはNHK出版提供の拡材を織り交ぜつつ、手書きと手作りの「ハンドメイド」をメインとしている。装飾の中に人形を配置し、愛嬌のあるディスプレイを心掛けるなど、創意工夫を凝らした。特に飾りつけの色彩には強いこだわりがあり、NHKテキストらしい「新しいスタート」や「春の力強さ」のイメージを意識した。

 

 同書店でNHKテキストは年配層がメインの客層となっている。佐世保市でも高齢化が進んでいるが、出田さんは「ご年配のお客様でも、趣味が多彩でとても元気だ。しかも、向上心が強く、勉強熱心な人が多い。そうした佐世保のお客様に、これからも役立つ情報を提供していきたい。小さいながらもできるPOPなど、書店らしい強さで売っていきたい」と力を込める。

 

所在地=〒857―0875 長崎県佐世保市下京町8―3