日本新聞協会は3月1日、ヤフーを運営するZホールディングス(ZHD)と無料通信アプリ大手LINEの経営統合が同1日に完了したことを受け、見解を発表した。国内では両社が運営するニュース配信サービスの利用者が多いことから、「責任を一層自覚し、社会基盤としての役割を果たすべき」と、公平で公正な配信を求めた。
見解ではまず、「米中両国の巨大プラットフォームが、大量の利用者とそのデータの獲得を競う中、グローバルな競争環境を踏まえた動き」と理解を示した。
ネットニュースの分野で、両社の経営統合は「巨大な国内ニュースプラットフォームの誕生を意味する。ヤフー、LINEのニュースサービスの利用率は、いずれも国内のニュース配信サービス利用者の60~75%に達するとの指摘もある」とした。
そのうえで「統合により、ニュースの流通を担うプラットフォーム事業者として、自らに課される公共性・公平性・公正性がより高まったと言える。国内のニュース流通がどうあるべきか、プラットフォーム事業者と新聞・通信社などのニュース配信事業者がより積極的なコミュニケーションを図ることが重要」との考えを示した。
そして、「地方のニュースを取り扱わなかったり、自社や自社の関係者に不都合なニュースを削除したりするなど、ニュースの選定に恣意的な運用をすることもあってはならない」として、「統合後は、情報流通における自らの責任をより一層自覚し、社会基盤としての役割を果たすこと」を期待した。
また、偽情報や誹謗中傷をどう排するかは喫緊の課題とし、「ネット空間の負の側面に真摯に向き合い、課題解決に取り組む重い責任が求められる」と強調した。