PC関連書籍の出版社7社が加盟する「コンピュータ出版販売研究機構(CPU)」はこのほど、書籍部門のCPU大賞(2020年度)を発表し、『スペースキーで見た目を整えるのはやめなさい』(技術評論社)が大賞に選ばれた。同賞は20年1月1日から12月31日に発売された加盟各社の書籍を対象とし、全国主要書店171店舗のPC書籍担当者による投票で、受賞作品を決定した。
注目を集めた斬新な切り口 書店売上に大きく貢献
大賞に輝いた『スペースキーで見た目を整えるのはやめなさい』は、PC書では定番のテーマ「Excel・Wordを使った資料作成」の入門書。社会人の目を引く、斬新な切り口の書名と内容で、PC書や話題書のコーナーで圧倒的な販売力も伴い、書店売上に大きく貢献したことが評価されての受賞となった。
書店の担当者からは「表紙を見たときに自分の事を言われているのかと思った。お客さんに紹介したくなる一冊」「SNSでの反響も凄まじく、話題性があった」といった声が寄せられた。
ジャンルを跨ぐ「越境型書籍」 20年度も強い傾向
CPUによると、PC書コーナーに留まらず、話題書、芸術書、デザイン書など他のコーナーでも展開できる、ジャンルを跨いだ「越境型書籍」が20年度も強い傾向であったという。第2位の『見てわかる、迷わず決まる配色アイデア3色だけでセンスのいい色』(インプレス) と、第3位の『あたらしい、あしらい。あしらいに着目したデザインレイアウトの本』(ソシム)はその代表例だ。
どちらも「Webデザインを含む配色・レイアウトを学ぶための良書」と高い評価を受け、複数のコーナーで販売増に貢献している。なお、この2冊に共通する点として、著者は最近のヒットメーカー(インジェクターイー)である事が挙げられた。
また、新型コロナウイルスによる在宅勤務推奨の社会情勢を受け、テレワーク関連書にも票が集まった。
第4位の『ゼロからはじめるZoom基本&便利技』(技術評論社)、第5位の『できるテレワーク入門 在宅勤務の導入・実践に役立つ本』(インプレス)は、今年度の新刊キーワードの中でも最も旬なテーマであり、話題書やビジネス書のコーナーで展開し、好調だったことから、高い評価を得た。
その一方で投票に関しては、テレワーク関連書が各社から多数出版されたため、票が若干割れる傾向があったという。
なお、「Excel仕事術」や「python」といったテーマは根強く、ランキング10位以内に数点入っている。しかし、得票数は伸びず、書店店頭では飽和状態であることが予想される結果となった。
【第1位】
書名:『スペースキーで見た目を整えるのはやめなさい』
ISBN:978-4-297-11274-5
発売:技術評論社
著者:四禮静子(しれいしずこ)氏
本体価格:1680円
【第2位】
書名:『見てわかる、迷わず決まる配色アイデア3色だけでセンスのいい色』
ISBN:978-4-295-00889-7
発売:インプレス
著者:ingectar-e
本体価格:1800円
【第3位】
書名:『あたらしい、あしらい。 あしらいに着目したデザインレイアウトの本』
ISBN:978-4-8026-1267-8
発売:ソシム
著者: ingectar-e
本体価格:1800円
【第4位】
書名:『ゼロからはじめるZoom 基本&便利技』
ISBN:978-4-297-11492-3
発売:技術評論社
著者:マイカ
本体価格:1100円
【第5位】
書名:『できるテレワーク入門 在宅勤務の導入・実践に役立つ本』
ISBN:978-4-295-00886-6
発売:インプレス
著者:法林岳之氏、清水理史氏、できるシリーズ編集部
本体価格:1580円