東日本大震災で親を亡くした子どもたちの学業を支援するため、全国各地の演奏家有志が一堂に会するチャリティーコンサート「がんばろう日本!スーパーオーケストラ」(毎日新聞社主催)の最終公演が3月2日、東京都港区のサントリーホールで開催された。
スーパーオーケストラは2011年5月、音楽家たちが「自分に何ができるか」と悩みながら行動を起こし、実現したコンサートだ。全国の交響楽団などで活躍する演奏家が年に1度、スーパーオーケストラを結成。寄付金を募るため、会場で多くの出演者が募金箱を持って直接協力を呼びかける姿もこの10年で定着し、震災から10年に当たる今回を最終公演と定めた。
昨年はコロナ禍の影響で中止しており2年ぶりの開催。曲目はスコットランド幻想曲(ブルッフ)、左手のためのピアノ協奏曲(ラヴェル)、組曲「展覧会の絵」(ムソルグスキー)で、山下一史さんが指揮し、實川風(じつかわ・かおる)さんのピアノと辻彩奈さんのバイオリンがステージに彩りを添えた。
コンサートマスターは小森谷巧さん、司会は小森谷徹さんが務め、来場者らは被災地の10年に思いをはせながら、美しい旋律に聴き入った。恒例の会場での募金は、今回は感染拡大防止のため見送った。
インターネットによるライブ配信と、1週間後の3月9日までの見逃し配信も実施した。通常券(3000円)だけでなく、岩手県陸前高田市の地域限定品種の米「たかたのゆめ」1合などが付いた特典視聴券(5800円)も販売し、収益の一部は、毎日希望奨学金に寄託する。