ポプラ社 第3回「全国学校図書館POPコンテスト」の入選作発表、子どもたちの熱い思いつまったPOP集まる

2021年3月29日

最終選考を終え入選作を手にする内田氏(右)と千葉社長

 

 ポプラ社はこのほど、全国の小・中・高等学校向けに、読書推進を目的に学校図書館サポート事業の一つとして、「ポプラ社2020全国学校図書館POPコンテスト」を開催した。3回目となる同コンテストには、今回初めて全国47都道府県から応募があり、644校、作品点数2万4862枚の中から、11部門計44枚の入賞作を発表した。

 

 同コンテストは、POPの作成が子どもたちの読書の機会をつくり、自分の想いを表現・発信する機会となるとの考えから、18年に創設した。

 

 開催にあたっては第1回から、「POP王」と言われ、これまでに5000枚以上のPOPを制作してきた内田剛氏が協力。POPづくりのポイントやコンテストの開催案内などが書かれたパンフレットを全国の小・中学校に送り、ポプラ社教育こどもの学びグループのウェブサイト内のコンテスト公式ページでも、情報を発信している。

 

 今回は、全国47都道府県の児童・生徒から2万4573枚、教員・司書から289枚の応募があった。校種別では小学校212校、中学校2 5 6校、高校151校などが参加した。

 

 2月16日には最終選考会が同社内で開かれ、POP王の内田氏と同社・千葉均社長が「POP王賞」「ポプラ社賞」「本への愛情が伝わるPOP賞」「本の魅力が伝わるPOP賞」など、11部門(各部門×4枚)計44枚を選んだ。

 

 一次、二次選考をクリアしたレベルの高いPOPを前に、両氏とも1枚1枚をていねいに眺め、悩みながら入賞作を選んでいった。POPを見て「この本を読んでみたい」と心から感じるものや、本を読んで感じた気持ちが詰め込まれたものが、多く選ばれた。(入選作の結果発表ページhttps://www.poplar.co.jp/schoolLibrary/popcontest/results2020/

 

全国47都道府県から応募、

真剣な面持ちで選考する内田氏(右)と千葉社長

 

 最終選考を終え、内田氏は「POPの1枚1枚に込められた熱い思いや愛、楽しみがたくさん詰まっていることが感じられた。それぞれに新鮮な視点があって感心した。作品の著者、出版社、書店、本に関わる全ての人が喜ぶPOPが集まった」と評価。

 

 また、「(応募が)全国47都道府県を網羅していることに驚いた。このような価値のあるコンテストを、全国展開でぜひ長く続けてほしい。私もどのように役立てるか考えている」と今後の広がりにも期待した。

 

 千葉社長も「本は手にとり、読んで終わりではない。本と出会うまでのドラマ、読んだ後のドラマもある」と語り、「それを言葉で伝えるのが得意な人もいれば、文章や絵で表現するのが得意な人もいる。POPはそれらをぎゅっと凝縮したもので、子どもたちそれぞれが得意な形でPOPづくりができる」と意義を強調した。

 

 また、両氏ともPOPづくりを通して、子どもたちの新たな能力、個性を引き出すことにもつながると考える。内田氏は「本のおもしろさ、良さをどう『伝える』か。それを表現できるPOPはとてもいいツールだ」と、千葉社長も「学校などで他の子どもたちが作ったPOPを見れば、良い学び合いにもなる」と語り、同コンテストを通じた子どもの成長に期待した。 

 

【増田朋】