光文社は4月13日、「本屋さんへ行こう」キャンペーンをきっかけに生まれた長野県松本市のご当地小説『ただいまつもとの事件簿』(新津きよみ著)を発売した。キャンペーンでは 19年11月に「みんなでつくる! NAGANOVEL(ナガノベル)」を実施。同作はそこで1位となった「松本城」のある松本市を主な舞台にして新たに書下ろされた。
同書に対しては松本を中心とした地元書店からの期待も高く初回配本希望数が多数寄せられているほか、発売当初からの大展開を決めている書店も多いという。
「みんなでつくる! NAGANOVEL(ナガノベル長野+小説(novel))」は、長野県内約90書店が参加した「読もう!行こう!長野×光文社 本屋さんへ行こう」キャンペーンで実施。小説にしてほしい長野県の名所・旧跡などを読者から募集し、1位には松本城が選出された(2位は上高地、3位は善光寺)。
光文社は「本屋さん」の魅力を多くの人に知ってもらうため、創立70年を迎えた15年から5年間にわたり「本屋さんへ行こう」キャンペーンを実施。地元に根付いた書店が出版文化を支えているという考えのもと、都道府県単位で毎年一つのエリアを対象として地元の書店へ読者が足を運びたくなるような企画を行った。
最終年の19年は「読もう!行こう!長野×光文社 本屋さんへ行こう」キャンペーンとして「みんなでつくる! ナガノベル」をはじめ様々な企画を実施した。
著者の新津氏は長野県大町市出身で、松本市の松本深志高校卒、青山学院大学卒で旅行代理店勤務などを経て1988年に作家デビューした。
著書に『巻きぞえ』『彼女の深い眠り』『彼女の時効』『誰かのぬくもり』『彼女たちの事情 決定版』(以上、光文社文庫)、『夫以外』(実業之日本社文庫)、『二年半待て』(2018徳間文庫大賞受賞作)、『始まりはジ・エンド』(双葉文庫)、『セカンドライフ』(徳間文庫)などがある。