日本雑誌協会(雑協)は3月の編纂委員会および広告委員会で、紙版の『マガジンデータ』刊行を中止すると決定した。中止の理由としてコスト削減のほか、雑協ホームページで無料公開しているデジタルデータへのアクセス数が増加し、有料の紙版という形態が時代に即さなくなったと説明。雑協ホームページでの印刷部数公表は継続する。今後、検索機能の充実、利用促進PR施策の推進、関連団体との連携を図っていく方針だ。
年1回刊行の『マガジンデータ』は、雑誌の部数およびプロフィールに関する資料集で、各誌の書誌情報を網羅し、編集長のメッセージを掲載したフルカラー冊子。巻末には掲載社の担当部署一覧がまとめられ、住所・電話・FAX・HPアドレスが収載されている。昨年12月発行の『マガジンデータ2021』では、73社511誌の部数を公表した。頒布価格は2000円。
雑協HPの印刷部数公表、広告会社の利用が増大
雑協は印刷証明付き部数の無料公開をスタートして16年目を迎え、2008年からは雑協ホームページで部数公開を年4回行ってきた。2年前からは過去1年分のデータ掲載が始まり、利便性が大きく高まったことで、広告会社からの利用が増大、雑協ホームページへのアクセスの多くを部数検索が占めるようになった。
雑協によると、紙版は毎年300万円超の収支赤字を計上してきたが、デジタル化でホームページ運営費のみの50万円に経費を削減できるとしている。なお、雑協ホームページで無料公開している印刷部数公表には、「マガジンデータ」に収載されていた各誌の書影、各誌編集長からのメッセージ、電子版の有無、判型、定価などの情報は含まれていない。