ニュースパーク(日本新聞博物館)は、東日本大震災からの復興と防災・減災の在り方を考える企画展「伝える、寄り添う、守る──『3・11』から10年」を、横浜市の同館で開催している。被災地の地元紙、河北新報、岩手日報、福島民報、福島民友新聞の4社が特別協力し、当時の紙面、記事や記者の手記を掲載したパネルなど計169点が並んでいる。9月26日まで。
今年3月、東日本大震災、東京電力福島第一原発事故から10年を迎えた。被災地の新聞は、あの日から毎日、震災や原発事故関連のニュースや話題を、さまざまな形で伝え続けている。また、震災以降頻発する自然災害から人々を守るため、全国各地で新聞報道の枠を超えた取り組みが広がっている。
同展では10年間の紙面や写真、記者らの寄稿を通じて、被災地の地元紙を中心に新聞社の報道ぶりや思いを紹介。新聞社の防災・減災の取り組みも取り上げるとともに、関東大震災を報じた大正期の紙面などを通じて、デマや流言が広がりやすい災害時の情報との向き合い方についても、伝えている。
企画展の入口付近には、特別協力している4社社長の言葉もパネル展示。岩手日報社・東根千万億社長は「読者県民と被災地再興に努める覚悟」、河北新報社・一力雅彦社長は「人の復興という究極のゴールに向けて」、福島民報社・芳見弘一社長は「光と影、福島の今を発信し続ける」、福島民友新聞社・中川俊哉社長は「光と影を追い 希望を紡ぐ」と題して、それぞれこれまでの歩みと、これからも続く震災報道への決意などを示している。
「東京五輪・パラ」報道展も同時開催
ニュースパーク(日本新聞博物館)は、企画展「東京五輪・パラリンピック報道展 幻の一九四〇東京五輪からTOKYO2020まで」(協力・公益財団法人新聞通信調査会、東京写真記者協会)を、横浜市の同館で開催している。9月26日まで。
企画展「伝える、寄り添う、守る──『3・11』から10年」が開かれている展示室の四分の一のスペースを使用し、同時に開催している。横浜市が9月から開催する「東京2020大会報道写真展」とも連携する予定。
企画展では、幻となった1940年、高度成長の契機となった1964年、コロナ禍に翻弄される2020年の東京五輪やパラリンピックを、新聞がどのように報道してきたかを紹介している。
「1940年 時局緊迫、大会を返上」、「1964年 高度経済成長への契機」、「1964年 パラリンピック リハビリからスポーツへ」、「1964横浜 歓喜に沸いた港町」、「2020 翻弄される『復興五輪』」をテーマに、それぞれ当時の実物紙面や写真パネルなどで振り返ることができる。