日販と楽天ブックスネットワーク 10月から協業範囲拡大、日販が送品・仕入業務を受託

2021年6月1日

日本出版販売と楽天ブックスネットワークが協業範囲拡大

 

 出版取次大手の日本出版販売(日販)は6月1日、今年10月から楽天ブックスネットワーク(RBN)との協業範囲を拡大すると発表した。日販はRBN帳合書店の雑誌・書籍・開発品の送品業務で協業し、物流業務を日販の流通センターで受託する。また、物流を受託した商品の仕入業務についても日販が行う。協業の対象となる書店は、10月時点でRBNと取引がある全店舗。

 

 このほか、店頭客注を支援するサービスを共同で進めるとしている。協業範囲拡大の内容と実行スケジュールについて、取引先各社には担当部門を通じて別途案内を行う。

 

加速する出版流通改革 取次会社としてのコスト削減

 

 日販はRBNとの協業範囲の拡大について、出版流通改革の中で、「取次会社としてのコスト削減」を目的とした取り組みの一環と説明。「今後も、日販とRBNは、さらなる協業範囲の拡大に向け検討を進め、将来にわたって持続可能な出版流通の実現を目指す」としている。

 

 これまで日販とRBNは2003年12月に返品物流業務、16年3月に新刊送品物流業務で協業するとともに、書店数の減少や物流経費の高騰など、市場環境の大きな変化に対応し、業界全体の流通効率化を図るための検討を重ねてきた。

 

 今年2月から持続可能な出版流通の実現を目的として、協業範囲の拡大について協議を開始。今回の合意で、10月から一般書店向けの書籍・雑誌の仕入れから送品までを日販に業務委託することが決定した。

 

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