ベレ出版は2005年に刊行の『語りかける中学数学』、12年に改訂した『増補改訂版 語りかける中学数学』に続き、21年の文部科学省による指導要領の改訂に合わせて『語りかける中学数学[3訂版]』を5月26日に発売した。
大人のためのやりなおしテキストとして企画された同シリーズは、現役の中学生・高校生からも支持される累計27万部を突破した人気作。今年4月の指導要領に合わせて「データの活用」の章を新設した。
中学の範囲から小学校や高校の範囲に移った科目については、そのまま残している。ページ数も05年の初版発売時の768ページから今回の改訂第3版では856ページと大幅にボリュームアップした。価格は据え置きの税込3190円。
筆者の高橋一雄氏は身体が弱く中学校に行けていなかったことから、数学で“落ちこぼれ”だったという。同氏は、手持ちの本を全国の少年院に寄贈したことをきっかけに、11年より少年院で少年たちに指導を行うようになった。
「数学も人生も、いつでも、何度でもやり直せる」という同氏の活動は朝日新聞やNHKなどをはじめとしたメディアに取り上げられた。同氏は現在、共同通信から全国31の新聞社に配信中の「14歳の君へ」という中学生向けの記事で、数学の講師として紙面講義を行っている。
旧版の読者からは「数学大嫌いだったのに、自分にも分かって感激」「中学一年生の子供とともに愛読している」など、感謝の声が多く寄せられている。担当者は「コロナ禍で不登校になる生徒も増えている中、自学自習に最適な本書をぜひ、多くの人に届けたい」と語る。