第8回高校生直木賞 伊吹有喜『雲を紡ぐ』と加藤シゲアキ『オルタネート』に決定

2021年6月4日

伊吹有喜『雲を紡ぐ』

 

 高校生直木賞実行委員会は5月30日、第8回高校生直木賞の受賞作を伊吹有喜『雲を紡ぐ』(文藝春秋)と加藤シゲアキ『オルタネート』(新潮社)に決定した。高校生直木賞で、2作同時受賞は初めて。また、伊吹氏は初ノミネートでの受賞となった。


 同賞は、全国の高校生が直近1年間の直木賞の候補作から「今年の1作」を選ぶ文学賞。フランスで読書教育の一環として30年以上実施されている「高校生ゴンクール賞」の日本版を目指し、2014年5月に第1回を開催した。第8回に当たる今回は32校が参加。新型コロナウイルスの影響もあり、全校がオンラインでの参加となった。

 

 伊吹氏は、高校生たちに向けて「本の世界は果てしなく、ページをめくれば古今東西のあらゆる出来事を体験し、たくさんの登場人物たちと心を通わせることができる。これからも本の旅をぜひ続けてほしい」とコメントを発表した。

 

加藤シゲアキ『オルタネート』


 同じく受賞が決まった加藤氏はアイドルグループ「NEWS」のメンバーとしても活動し、 『オルタネート』は3年ぶりの新作長編。加藤氏もコメントを発表し、「若い世代が純粋に楽しめる作品を書き、小説を好きになってもらおうと考え、このような高校生の群像劇を執筆した。実際に高校生の方々に届いたのであれば、これ以上に幸せなことはない」と述べた。