カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の蔦屋書店カンパニーは6月14日、東京・渋谷区の本社オフィスで、第5回「みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞」受賞作品の発表と授賞式を開いた。過去最多の2万票を超える投票の中から、桜井のりお『僕の心のヤバイやつ』(秋田書店)が選ばれ、大賞を受賞した。
授賞式では、桜井のりお氏の代理として担当編集者が記念品を受け取り、メッセージを代読した。作品を支えてくれた読者や関係者に対し、「この作品は斬新な設定でも、一目で引かれる絵柄というわけでもないので、見つけてくれた方々や周りにおすすめしてくれた方々には、恩返ししていきたい。今後もこの栄誉に恥じぬ作品になれるよう努めていく」と感謝を述べた。
読者が選ぶ2021年イチオシコミック 3つの賞を新設
TSUTAYAコミック大賞は次にヒットするであろう“ネクストブレイク”コミック作品を読者投票で決めるコミック賞。
対象は2020年3月31日時点で単行本が最大5巻まで発売している未完結の漫画作品。21年4月1日~5月16日に投票期間、Twitter投稿によるユーザー投票が行われ、それに全国の蔦屋書店とTSUTAYAのスタッフによる投票を加えて集計し、得票数が多かった順に1位から10位までを発表している。
また、今年は3つの賞を新設し、投票の多かったタイトルの中から各社の審査で3作品を選出した。
実写ドラマ化されたら観たい作品を選出する「TSUTAYAプレミアム賞」には、吉井ユウ『青島くんはいじわる』(大誠社)。漫画の口コミ情報サービス「comicspace」ユーザーのレビューや評価・注目度などで熱量の高い作品を選出する「comicspace賞」には、高松美咲『スキップとローファー』(講談社)。総合電子書籍ストア「ブックライブ」読者に特に人気の作品を選出する「ブックライブ賞」には、やまもり三香『うるわしの宵の月』(講談社)が選ばれた。
受賞作品は6月15日からTSUTAYAの書籍売り場およびレンタルコミック売り場でコーナー展開を行う。売り上げの一部を漫画業界全体の発展に寄与するために「公益社団法人日本漫画家協会」に寄付する。また、大賞受賞作品『僕の心のヤバイやつ』の著者・桜井氏の描き下ろしイラストを、TSUTAYA限定特典として、7月8日発売の5巻(通常版・特装版)購入者にプレゼントするキャンペーンを行う。
ゲストは漫画好きのお笑い芸人、おすすめを語り合う
発表と授賞式の模様はネット配信され、司会はお笑い芸人のタケトさんが務めた。また、ゲストに「鬼越トマホーク」の坂井良多さん、「ニューヨーク」の嶋佐和也さん、「おかずクラブ」のゆいPさんとオカリナさんら、4人のお笑い芸人が登場。おすすめのコミックを紹介したり、ランクインした漫画にコメントするなどして会場を沸かせた。
ゆいPさんが「私たちが面白いと思った漫画はTwitterでつぶやいて拡散しよう」と呼びかけると、他のゲストたちも「作者の励みになる」「読み始めるきっかけにもなる」と賛同。漫画好きのお笑い芸人として、漫画家を応援し、多くの作品が人気作となるように応援していきたいと語り合った。
「みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞」の1位から10位は次の通り。
▽1位=桜井のりお『僕の心のヤバイやつ』(秋田書店)
▽2位=松本直也『怪獣8号』(集英社)
▽3位=赤坂アカ、横槍メンゴ『【推しの子】』(集英社)
▽4位=硬莉菜(原作)、不二涼介(漫画)『シャングリラ・フロンティア クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす』(講談社)
▽5位=山田鐘人、アベツカサ『葬送のフリーレン』(小学館)
▽6位=ましろ『山田くんとLv999の恋をする』(KADOKAWA)
▽7位=戸塚慶文『アンデッドアンラック』(集英社)
▽8位=甲本一『マッシュル―MASHLE―』(集英社)
▽9位=つるまいかだ『メダリスト』(講談社)
▽10位=泉朝樹『見える子ちゃん』(KADOKAWA)