毎日新聞が購読料を27年ぶりに改定 7月からセット4300円、統合3400円

2021年6月16日

 毎日新聞社は6月16日、本紙月ぎめ購読料(消費税込み)を7月1日から、朝・夕刊セットは現行の4037円から4300円に、統合版は3093円から3400円に改定すると発表した。消費税分を除く本体価格の改定は1993年12月以来、27年7カ月ぶりとなる。購読料改定に伴い、日曜紙面を大胆に刷新するほか、宅配購読者向けのデジタルサービスをさらに充実させる。

 

 用紙代など新聞の原材料費が上昇し、人手不足に伴って輸送・配達にかかるコストが増大する中、毎日新聞社は経費節減や業務合理化などを進め、四半世紀以上にわたって本体価格を据え置いてきた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大による景気悪化で、企業などからの広告出稿や販売店の収入源の一つである折り込みチラシが減少するなど、新聞事業を取り巻く環境が厳しさを増しており、戸別配達網を維持するためには、購読料を改定せざるを得ないと判断した。

 

日曜紙面をリニューアル

新しい日曜紙面を紹介する毎日新聞の6月16日付朝刊

 

 7月から大きく変わる日曜紙面は、題字を横書きにし、紙面デザインも一新する。人物の内面や出来事の背景を掘り下げる大型読み物「迫る」や、47都道府県の観光の穴場や特産品を紹介する「わたしのふるさと便」をスタート。クロスワードパズルなどでリラックスしながら頭の体操ができるページを増やすなど、家族で一日楽しめる新しいスタイルの紙面を提供する。

 

 さらに、校閲記者が、よく見るけれども適切とは言えない表現、季節や時事にちなむ味わい深い日本語などを取り上げる「毎日ことば」を連日朝刊1面に掲載する。

 

デジタル「宅配購読者無料プラン」も充実

 

 また、購読中であれば、追加料金なしでニュースサイト「毎日新聞デジタル」の限定コンテンツや有料記事まで読め、紙面ビューアー機能や記事データベースも使える「宅配購読者無料プラン」をさらに充実させる。

 

 会員登録をした読者は、ジャーナリズムなどをテーマに記者が語る形式や、都市対抗野球や全国高校ラグビー、将棋など毎日新聞が誇るコンテンツを生かした形で実施するオンラインイベントに参加できる。このほか、暮らしとお金のあらゆる困りごとについてファイナンシャルプランナーに無料で電話相談もできるようになる。7~9月に宅配購読者無料プランに新規登録するとAmazonギフト券(500円分)がもらえる特別キャンペーンも実施する。

 

 なお、1部売りの定価は朝刊150円、夕刊50円(いずれも消費税込み)で据え置く。

 

 毎日新聞社は16日の社告で「読者のみなさまに負担をおかけするのは心苦しいところですが、ご理解いただきますようお願い申し上げます」と購読料改定への理解を求めた。

 

 そのうえで「インターネット上で真偽不明の情報も拡散する中で、これからも正確で質の高い報道を追求します。社会の深層にある事実を明るみに出すスクープや、困難の中にいる人々に寄り添うキャンペーンの展開など『毎日ジャーナリズム』をさらに深化させ、創刊150年のキャッチフレーズ『社会をつなぐ、言葉でつむぐ』の下、新聞の役割を果たしていきます」と決意を示した。