毎日新聞社の東京オリンピック・パラリンピック用ピンバッジ(非売品)の偽物がフリーマーケットアプリに出品されていることが確認された。毎日新聞社は「誤って購入しないようにしてほしい」と注意を呼びかけている。
五輪の偽ピンバッジの販売はこれまでもフリマアプリや海外オークションサイトなどで横行しており、新聞社やテレビ局のものは「メディアピン」と呼ばれて高値で取引される傾向があるという。
毎日新聞の報道によると、ピンバッジの愛好家が今年5月、毎日新聞のバッジが3万5000円などの価格でフリマアプリに出品されているのを確認した。愛好家が情報収集して偽物の可能性が高いと判断し、運営側に通報したところ取り下げられたが、一緒に出品されていたテレビ局の偽物とみられるものはすでに落札されていた。また、この愛好家の知人が同じようなバッジの交換を持ちかけられたという。
五輪で世界中から集まった観客や関係者が記念品のピンバッジを交換し合う「ピントレーディング」は1896年の第1回アテネ大会で選手が友好の証しとして始めたのがルーツとされる。一般客の間では1980年代から急速に広まり、大会の「非公式競技」と呼ばれる風物詩となっている。
偽造したピンバッジを巡っては2019年、販売した長野県内の男性が商標法違反容疑で逮捕されるなどの摘発事例もある。毎日新聞社社長室広報担当は「毎日新聞のロゴを無断使用した東京2020オリンピック・パラリンピックのピンバッジが製造され、販売されていることは極めて遺憾です。誤って購入されることがないようご注意ください」とコメントしている。