データマーケティング支援のGlossom(グロッサム)は、全国の10代から70代の男女1442人に対して、スマートフォンユーザーの情報収集動向を時系列に分析する定点調査を実施した。情報収集だけでなく、情報の発信者としてスマートフォンを利用する時間が増加していると明らかとなった。
同調査はSNSやサーチエンジン、メディア、動画サービスの利用率や利用時間を性年代情報と掛け合わせることで、現状の動向やスマートフォンユーザーの意識の変化をとらえることを目的とし、2019年より実施している。
今回は、日本全国に在住のスマートフォンを所有する10代~70代の男女1442人(男性721人、女性721人)に対して、インターネットによるアンケート調査を行った。調査期間は21年5月26日から5月28日。スマートフォンの1日の平均利用時間は、「126.6分」(20年)から「136.3分」(21年)と7.6%増加した。
サービスをSNS、サーチエンジン、メディアで分類し、利用実態を調査したところ、利用率ではメディアが79.6%と最も高く、ニュース系メディアなどの専門メディアの利用率が上昇。性別で見ると女性のSNS利用率が全年代で上昇していた。
利用時間では、昨年から引き続きSNSが増加傾向で「67.1分」(20年)から「77.8分」(21年)と15.9%増加し、3分類の中でも最も長かった。特にInstagramの1日の平均利用時間が64.6%増加し、SNS全体の利用時間の増加をけん引している。
TikTokではけん引していた女性10~30代の利用時間が減少し、若年層離れの傾向がみられる一方でYouTubeは20年から引き続き利用率が上昇傾向にあり、特に10~30代の利用率が上昇。また、Instagramは全年代で利用率が上昇した。
次にSNSでの情報発信の状況について調査したところ、SNS利用者の中の発信者の割合はInstagramが最も高く43.7%、次いでTwitterが36.5%。TikTokの発信者の割合は12.3%と低く、発信のハードルが他SNSと比較すると高いと考えらえる。
発信ありのユーザーと発信なしのユーザーでは、発信ありのユーザーの方が利用時間が長いため、発信者の割合が高いInstagramでは発信者がInstagramの全体の利用時間を押し上げていると考えられる。
メディアの利用動向としては、コロナ禍で20年は全ての年代で利用率が上昇していた映画、音楽、ドラマ、エンターテインメント系メディアは全ての世代で低下した。
10~30代女性で美容、ファッション、健康系メディアの利用率が19年を上回り、20代で旅行、お出かけ、レジャー系メディアの利用率が上昇するなど、緊急事態宣言1年目の昨年と比較するとコロナ禍でも自分磨きや旅行などの外出に対してユーザーの意識が向きつつあると考えられる。
また、企業がSNSで発信する情報への反応への調査では、若年層ほど企業が発信する情報に対する反応度合いが高い結果となった。一方で自分がフォローしているアカウントと企業広告との間で大きな開きがあり、女性の方がその傾向は顕著であることがわかった。