毎日新聞出版 『14歳の君へ 』が30万部突破、刊行15年目で49刷重版

2021年8月27日

『14歳の君へ どう考えどう生きるか』

 

 毎日新聞出版は8月20日、『14歳の君へ どう考えどう生きるか』が49刷30万部を突破したと発表した。2006年12月に刊行された同書は、その翌年に亡くなった哲学者の池田晶子氏が14歳の中学生向けに、友愛・個性・社会・幸福・人生など16のテーマで書いたエッセイ集。刊行から15年を経てなお、中学生だけでなく、多くの世代に読まれているロングセラー作品となっている。

 

 発売から5年ほど経ち、売れ行きが落ち着き始めたころ、子どもたちのいじめによる自殺が社会問題になっていたことから、学校のなかで苦しんでいる子どもたちに向けて、「教室だけが『世界』じゃないよ」というメッセージが添えられた帯に刷新。夏休みの読書感想文や「朝の読書」、多数のメディアで取り上げられ、大きな反響があった。

 

 19年には絵本作家のヨシタケシンスケ氏から全面帯のイラストと「人は弱っている時や元気がありすぎる時、誰かの断言が必要で、そんな時、池田さんの言葉はグリグリくるのです」とコメントが寄せられた。

 

 同書の担当編集者はコメントで「コロナが世界で蔓延して、皆さんに多くの負荷がかかっている。しかし、どんな不幸な時代であっても、『幸福を知っている人は決して不幸にならない』という著者のメッセージは心に響く」とベストセラーである同書の魅力を語っている。

 

池田氏の既刊本、いずれも毎日新聞出版から刊行

 

 同社から刊行されている池田氏の著作では、07年刊行の『暮らしの哲学』が5刷、09年刊行の『死とは何か さて死んだのは誰なのか』が6刷、08年刊行の『人生は愉快だ』が5刷、10年刊行の『残酷人生論』が6刷、14年刊行の『考える日々全編』が2刷となっている