筑摩書房 新しい読者へつなげる 『海をあげる』プロジェクト始動

2021年8月30日
 

 筑摩書房はこのほど、Yahoo!ニュース本屋大賞2021年ノンフィクション本大賞にもノミネートされている上間陽子氏の『海をあげる』で、読者から提供される「青い糸」を上間氏のメッセージ入りの栞に結び付け、書店店頭で展開するプロジェクトを開始した。

 

同社内スタッフが手作りで作成した「青い糸」付きの栞

 

 当プロジェクトは、小説家・朝吹真理子氏がインスタグラムで投稿した「すばらしい本を読みました。青い糸を受け取った気持ちです。糸を手繰ると1945年の沖縄戦の海にも辺野古にも子供の心の海原にも沢山の海につづいています。」という感想を受け、「青い糸」付きの栞を書店で展開し、新しい読者へとつなげていく取り組みとして始動。8月3日から、特設サイトやSNS等を通じて「青い糸」の提供を読者に呼びかけ、すでに「青い糸」の提供とともに、多くの反響が寄せられている。

 

 また1万枚に及ぶ栞には「メッセージの入った瓶を海に投げ入れているような気持ちで書いていたように思います。どこかにたどり着くのかと。いつかだれかに届くのかと。」と、新しい読者に向けた上間氏の手書きコメントを掲載。現在、同社は栞の展開に協力してくれる書店を募集しており、上限に達し次第、終了となる。

 

 同書は2020年10月に刊行。現在7刷2万500部に達しており、本屋大賞ノンフィクション本大賞ノミネートのほか、第7回沖縄書店大賞沖縄部門大賞を受賞し、上間氏も「第14回わたくし、つまりNobody賞」を受賞している