【詳報】第8回料理レシピ本大賞 『カレンの台所』が料理部門大賞受賞、オンライン授賞式を開催

2021年9月16日

天野さん(左)とカレンさんの特大パネルを持つ大川さん

 

 第8回料理レシピ本大賞in Japanの受賞作品が9月7日に発表された。料理部門大賞は滝沢カレン著『カレンの台所』(サンクチュアリ出版)が、お菓子部門大賞はてぬキッチン著『もっと!魔法のてぬきおやつ』(ワニブックス)が受賞し、そのほか準大賞、入賞、各部門賞など全11作品が受賞した。

 

 受賞式は東京・中央区の朝日新聞東京本社本館2階「読者ホール」で行われた。昨年に引き続き、感染症拡大防止のため授賞式には関係者や受賞作品の著者、編集者のみが参加し、リモート参加での表彰も行われた。授賞式の模様はYouTubeでライブ配信された。

 

 今年も授賞式には、お笑いタレントで同賞アンバサダーの天野ひろゆきさんが登場し、受賞者を表彰した。

 

お菓子部門2連覇を達成

『もっと!魔法のてぬきおやつ』

 

 お菓子部門大賞を『もっと!魔法のてぬきおやつ』で受賞したてぬキッチンさんは、昨年の『魔法のてぬきおやつ』(ワニブックス)に引き続き、お菓子部門大賞2連覇の快挙を達成した。

 

 リモートでの参加となったてぬキッチンさんは受賞に際し、「まさかまたこの賞をいただけるなんて本当に夢のよう。これも、応援していただいているYouTubeの視聴者や、編集担当の森さんはじめスタッフの皆様、そして選んでいただいた書店員の方々のおかげ」と感謝を述べた。

 

 そして、日々楽しくレシピ開発が出来ているのは、「お菓子作りのハードルが下がって、おうち時間に楽しんで作っています」などの温かい言葉からエネルギーをもらっているおかげと話し、これからも多くの人にてぬきレシピを届けられるように精進していくと意気込みを見せた。

 

 天野さんも「てぬきとは効率を上げるということなので、どんどん効率を上げていただきたいですし、料理は手抜きだが、編集はしっかりやっていて読みやすくなっている」と評した。

 

涙と笑顔の大賞受賞

『カレンの台所』

 

 料理部門大賞を受賞した『カレンの台所』の著者である滝沢カレンさんもリモートでの参加となり、担当編集者の大川美帆氏がカレンさんの特大パネルと一緒に登壇して賞状を受け取った。

 

 その後リモートで登場したカレンさんは、感極まり涙を流しながら「まさか大賞に選ばれるとは思いもしていなかったので、もしかしたらドッキリかもしれないと信じられていなかったのですが、さっき本当に発表されて、私の代わりに登壇してくれた大川さんの姿を見た瞬間に、出版の経緯を思い出して、いろんなことを実感しながら今、受賞の喜びを噛み締めています」とコメント。

 

 本を作った気持ちについて、「料理と同じく感情も生モノなので、生の料理に添える生の物語を作りたかった。レシピというよりは〝感覚物語〟として、今まで自分が味わってきて、読んでくれた方も共感してくれるような感情を詰め込んでいます」と話し、関わってくれた方みんなで取った大賞として、感謝を述べた。

 

次回は世界への発信を目標に

天野さん(左)と加藤実行委員長

 表彰の後は、天野さんが料理部門とお菓子部門の大賞2作品のレシピを再現した料理を試食。カレンさんのレシピで作った人の物語を感じ、てぬキッチンさんのてぬきとは思えないデザートに舌鼓を打った。

 

 また、料理レシピ本⼤賞 in Japan 実⾏委員会委員⻑の加藤勤氏があいさつに立ち、緊急事態宣言下でも開催できたのは多くの関係者のおかげと感謝を述べ、来年について「やはり料理本なので、食べるイベントを実施したい。また、海外にも日本の料理レシピ本を発信していきたい」と意気込みを語った。

 

 天野さんも「最近の東京オリンピック・パラリンピックの時に、海外のみなさんが選手村で出た日本の料理をすごく絶賛されたり、コンビニのお弁当なんかもSNSでアップしていたりと、加藤実行委員長が言っていた通り、これからは日本の食文化を世界に広く発信していきたい」と締め括った。

 

 授賞式の模様はYouTubeにてアーカイブ配信中。また、書店店頭での受賞作品フェアも全国で展開が開始されている。

 


◇全受賞作品◇

 

■料理部門

 大賞『カレンの台所』(サンクチュアリ出版)

 準大賞『りなてぃの一週間3500円献立』(宝島社)

 入賞・プロの選んだレシピ賞『基本調味料で作る体にいいスープ』(主婦と生活社)

 入賞『syunkonカフェごはん7 この材料とこの手間で「うそやん」というほどおいしいレシピ』(宝島社)

 入賞『野菜はスープとみそ汁でとればいい』(新星出版社)

 入賞『自炊。何にしようか』(朝日新聞出版)

 

■お菓子部門

 大賞『もっと!魔法のてぬきおやつ』(ワニブックス)

 準大賞『世界のおやつ おうちで作れるレシピ100』(パイ インターナショナル)

 

■ジャンル賞

 こどもの本賞『料理はすごい!』(柴田書店)

 エッセイ賞『syunkon日記 おしゃべりな人見知り』(扶桑社)

 コミック賞『眠れぬ夜はケーキを焼いて』(KADOKAWA)

 

 

【受賞版元からのメッセージ】


 「文化通信」増刊 BBB9月号で、全受賞作品の編集者寄稿特集および、滝沢カレンさんのインタビュー記事を掲載中