教養文庫シリーズを持つ出版社6社の共同フェア「チチカカコヘ」の第8回の受注が始まった。今回のテーマは「じっくり教養」。即効性のある解決策や簡単、短時間がもてはやされる時代に、「『じっくり読む』という営みに立ち返る」ことを提案する。フェアは来年1月下旬からのスタートする。
参加するのは筑摩書房「ちくま学芸文庫」、中央公論新社「中公文庫」、KADOKAWA「角川ソフィア文庫」、河出書房新社「河出文庫」、講談社「講談社学術文庫」、平凡社「平凡社ライブラリー」の6レーベル。
選書に当たって「思想:じぶんで考える」「社会:みんなで生きる」「歴史:過去と対話する」「自然:万物の理(ことわり)を知る」の4ジャンルを設定。それぞれのジャンルで各文庫シリーズの編集長が各12点、計48点の文庫を選書した。
書店へは48点各5冊計240点のAセット(セット予価26万280円)と24点各3冊計72冊(セット予価7万6578円)のBセットを用意。いずれも3カ月延勘定で1月下旬に搬入する。受注締め切りは11月12日。
オリジナル拡材としてフェア全タイトルについて各編集長が解説を書いた小冊子を作成するほか、A4判パネル、編集長の手書きPOP、ジャンル別大判POPを提供する。
第7回実績は前回比474・5%と好調
前回フェアは書店365店が参加。参加店舗でのフェア実施月POS伸長率は2021年1月と21年2月の比較で平均474・5%と大きく伸長。同時に返品率は31・1%で前年比11・4%減と改善した。コロナ禍でのフェアだったが入門的なもの裾野が広いテーマの作品が好調だったという。
このときの売上上位書目は1位が『昭和史1926-1945』(平凡社ライブラリー)、2位が『世界史のなかの昭和史』(平凡社ライブラリー)、3位が『本を読む本』(講談社学術文庫)、4位が『すごい物理学講義』(河出文庫)、5位が『日本語をみがく小辞典』(角川ソフィア文庫)、6位が『満鉄全史』(講談社学術文庫)、7位が『感染症の世界史』(角川ソフィア文庫)、8位が『日英語表現辞典』(ちくま学芸文庫)だった。
書店に実施したアンケートでは、「毎年楽しみにしているフェアです。お客さまも楽しみにお待ちいただいて。店頭でも興味を持って頂けたと思います」「Bセットでしたが、お客様のご要望で点数を増やして販売しました」「出版社別の棚をご案内しているとお客様から一緒になっていないの?と言われたりすることがあるので良かったです」「いつもとは違う売場を作ることが出来、お客様にも楽しんでいただけたと思います」といった意見があった。
注文は平凡社営業部、FAX=03(3230)6587まで。問い合わせは筑摩書房営業部(河内)、電話=03(5687)2680まで。