西日本電信電話(NTT西日本)、大日本印刷(DNP)と東日本電信電話(NTT東日本)は10月5日、共同出資を行い、高等教育の高度化に取り組む新会社「株式会社NTT EDX」を10月8日に設立すると発表した。
新会社の事業内容は、電子教科書・教材配信事業、教科書の電子化・流通支援事業など。電子教科書・教材事業を軸に、高等教育の課題解決に向けた各種サービスを提供するとともに、出版社・書店の業務の電子化・効率化を支援する取り組みを行うとしている。
3社はこれまで協業を進め、ICTを活用した教育のデジタル化におけるノウハウを蓄積。教科書・教材を提供する出版社との連携強化や、協業の効果拡大に向けて取り組んできたが、より高機能で、リーズナブルに、また早期に全国の高等教育機関へ広げていくためには、プラットフォームサービスとして提供することが必要と判断。
また、多くの高等教育機関や、教科書・教材の提供を行う多数の出版社、長年教科書販売を手がけてきた販売会社(書店)から、学生の学修利便性への期待、教科書や教材関連の課題解決への期待から事業化の要望を受け、事業会社を設立することにした。
全国大学生活協同組合連合会(専務理事・中森一朗氏)コメント
大学生協は教科書をはじめとした学術関連書籍の供給を進めており、2013年から電子コンテンツを活用したDECSサービスを提供してきた。大学の教育ICTにむけた取り組みにおいては、コンテンツの拡充や標準化されたプラットフォームの必要性等を痛感しており、この度の協業申し入れをお受けした。
丸善雄松堂(代表取締役社長・矢野正也氏)コメント
丸善雄松堂は、電子教科書・教材の提供による学修効果の向上を実現するべく約10年に渡ってサービス開発を進めてきた。利用する教員や学生、また教科書を出版される出版社と相談しながら改善や開発を重ねて現在に至っているが、更なる教育DXの推進、学びに関わるあらゆるステイクホルダーの課題解決に向けた取り組みをさらに加速させる方針で、教育ICTに関わる事業に全社を挙げて取り組む。
東京大学出版会/大学出版部協会(専務理事/理事長・黒田拓也氏)コメント
私ども学術専門書出版社はこれまで、DNPを中心とした方々とデジタル化時代における高等教育、それを取り巻く出版市場がどうあるべきか一緒に議論してきた。そのときの構想が、この新会社設立により実現することに大きな期待感を持っている。NTT西日本、NTT東日本といった企業が参画することで、これまでの構想の大きな一歩を踏み出せることに心から歓迎する。