講談社 アラブ地域にマンガコンテンツを紹介 サウジ・リサーチ&メディアグループとライセンス契約締結

2021年10月20日

 

 講談社は10月13日、、アラブ地域に世界の多様なマンガコンテンツを幅広く紹介するステップとして、サウジ・リサーチ&メディアグループ(以下、SRMG)と、コミック誌『マンガ・アラビア』におけるライセンス契約を締結したと発表した。この戦略的パートナーシップによって、SRMGがアラビア語圏での独占的な翻訳権を獲得し、講談社の人気マンガシリーズで初となるアラビア語版の出版が実現する。

 

 1972年に創業したSRMGは、中東および北アフリカのグローバル出版社。Asharq Al-Awsat、Asharq News、Arab Newsといった主要報道機関を30以上運営し、月間1億6,500万人以上の読者に向け、情報、ニュース、ライフスタイルコンテンツを発信する。

 

 同社は、小学館、集英社、KADOKAWAと既にパートナーシップを結んでおり、これに続き、今回のライセンス契約締結に至った。こうした一連の連携により、多様なコンテンツが行き交う強力なプラットフォームが実。『マンガ・アラビア』に掲載されるコンテンツが、正式かつ安全でアラブの文化的価値観に馴染むものとなり、アラブのあらゆる層の人々に受け入れられることが期待される。

 

 また、同社は講談社とのライセンス契約締結に先駆けて『マンガ・アラビア・キッズ』を創刊した。同誌には、アラブ流のシンプルな絵柄で描かれた明るいタッチの物語を掲載。デジタル版と月刊誌にて無料で読むことができ、デジタル版は『マンガ・アラビア・キッズ』モバイルアプリからダウンロード可能だ。教育省との連携により、創刊号はサウジアラビア国内の小中学校にも配布された。

 

 さらに『マンガ・アラビア』は、16歳以上の読者を対象としたマンガ雑誌を近く創刊する予定。

 

 今回のライセンス契約に関して、SRMGのCEOであるアル・ラーシド・ジュマーナ氏は「『マンガ・アラビア』へのコンテンツ掲載に向け、SRMGGは日本の主要な出版社とパートナーシップを結んできた。こうした取り組みにおける最新の成果として、この度講談社とのクリエイティブなコラボレーションが実現した」と述べた。

 

 『マンガ・アラビア』編集長のブカーリ・イサム氏は「『マンガ・アラビア』において創造性の幅が広がり、確実により豊かなコンテンツ構成が実現するだろう。公式な流通ルートを経るため、原作者および本国の出版社は適正な利益を享受できる。同時に、サウジアラビアやアラブのクリエイターが生み出した作品を積極的に掲載し、アラブ地域におけるクリエイティブ領域の強化にもつなげたい」と語った。

 

 講談社の取締役兼ライツ・メディアビジネス局長である松本智氏は、「講談社にとってアラビア語圏での出版・配信は初めての取り組み。サウジアラビアでアニメーションが人気の原作漫画である3作品が、たくさんのファンの方々に読んでいただけることを楽しみにしている」とコメントした。