OutNowは10月18日、ニュースレター配信サービス「theLetter」正式版の提供開始した。ニュースレターは特に英語圏で再流行しているフォーマット。サードパーティCookieの廃止やパンデミックによる広告モデルの不安定さが露出する一方で、組織・個人ともにプラットフォーマーを介さずオーディエンスと直接つながり、収益化できるニュースレターがグローバルで注目を集めている。
OutNow創業者の濱本至氏はフェイクニュースやセンセーショナルな切り取り報道を目にせず、専門家や当事者に近い距離で報道するジャーナリスト・ライターから直接情報を入手したいと考え、「theLetter」を開発した。
「theLetter」は、集客や収益化に最適化したニュースレター配信を容易にするプロダクトと、書き手が集まるコミュニティ運営によって現状の課題を解決する。読み手の課金や購読状況によって閲覧制限を設け、アンケートや返信など読者と細かなやり取りができる。また、theLetterコミュニティでは、ノウハウの共有が行われ、書き手同士のコラボレーションのきっかけも提供する。
同サービスはジャーナリストやライター、研究者、投資家、NPO運営者など多様なユーザーが利用できる。2020年7月から一部の書き手にのみ公開していたベータ版では、元NHK記者の相澤冬樹氏、食品ロスジャーナリストの井出留美氏、ルポライターの高橋ユキ氏のような書き手が参画しており、1000人を超える月額有料読者が集まる書き手も出てきている。
月額課金モデルは数百人から1000人程度の有料読者がいれば平均的なビジネスパーソンの月収を上回る。10月18日から誰でもサインアップでき、配信中の書き手の一覧も見ることができる。
濱本氏は「この20年間でビジネスモデルは大きく変わったのに、コンテンツの生みの親であるクリエイターの取り分はほとんど変わっていない、という状況にずっと疑問を持っていた。読み手が自分の選んだ個人やスモールチームから質の高い情報を直接得られ、書き手が継続して情報発信できるよう必要なノウハウや機能にアクセスできるサービスを目指していく」とコメントした。