PHP研究所、文芸書が好調 発売直後に増刷

2021年11月12日

 

 

 PHP研究所の文芸書が好調だ。同社が9月9日搬入で刊行した、寺地はるな氏の『ガラスの海を渡る舟』は、現在6刷2万2500部。さらに本屋大賞2020で2位に輝き、書店員からの人気も高い青山美智子氏の最新刊『赤と青とエスキース』を11月9日搬入、初版2万部で刊行。すでに2刷7000部を増刷した。

 

 『ガラスの…』は、プルーフを作成して、希望した書店員に配布したところ、想定以上の事前注文が集まり、発売前に増刷を決定。発売直後の9月11日に「王様のブランチ」で紹介されたことで、飛躍的に販売部数が伸びた。著者の寺地氏も9月中旬に大阪地区の書店を巡回。10月27日には、書店員とのネット懇親会を開催するなど、精力的に稼働したことも奏功した。

 さらに現在、note主催の読書感想投稿コンテスト「#読書の秋2021」で同書の感想文を募集しており、今後も新聞広告をはじめ、宣伝やパブ活動に力を注ぐ。

 

 

 一方、『赤と青と…』もプルーフを希望書店員に提供。「1ページ目から高揚した」、「私の知っている青山美智子さんではない!」、「あたたかな体温を感じる物語でした」などの声が寄せられ、発売前から、書店員の間で話題を呼んだ。

 

 さらに青山氏は、新聞や雑誌のインタビューも多数控えており、11月には神奈川や東京、大阪、名古屋地区の書店を巡回する。また新聞広告等に加え、小説紹介クリエイターのけんごさんとの対談をYouTubeで配信するほか、装画を担当したU-kuさんとのリアルイベントも開催予定。同社第一事業普及本部の河崎亮部長は、「2年連続で本屋大賞にノミネートされてほしい」と期待を寄せている。

 

□『ガラスの海を渡る舟』四六判/256㌻/定価1760円

□『赤と青とエスキース』四六判/248㌻/定価1650円