日経BPは年末商戦に向け、同社が注力する商材10点を、JR東日本沿線の車内ドア横広告を12月6日から12月26日まで、3週間に渡り掲出する大型宣伝プロジェクトを始動する。掲出期間は、第一弾12月6日から12日、第二弾は同月13日から19日、第三弾は同月20日から26日までで、それぞれ異なる商材を掲出する。
「宇宙兄弟」題材の就活本
第一週目は、11万3000部に達した『宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれるあなたの知らないあなたの強み』の第二弾にあたる就活本『宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれるあなたを引き出す自己分析』、11万9000部のベストセラー『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』に続く、シリーズ第二弾『「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』、また今秋に同じく車内広告を実施した際、期間内に8月の刊行以来もっとも高い販売部数を記録した『LISTEN』の3点。
実用人気著者の最新刊
続く二週目は、『自律神経どこでもリセット!ずぼらヨガ』(飛鳥新社)などで知られる、崎田ミナ氏による最新刊『肩こり 便秘 たるみ むくみ うつうつを自分の手でときほぐす!ひとりほぐし』、前年版より2万部多い初版部数で、すでに1万部を増刷した『日経業界地図2022年版』に、『AmazonMechanism(アマゾン・メカニズム)イノベーション量産の方程式』を加えた計3点。
110万部のベストセラー
さらに第三週は、発売から3年を経てなお、新しい読者を獲得し続ける、累計110万部のベストセラー『FACTFULLNESS』、『サピエンス全史』(河出書房新社)や『「死」とは何か』(文響社)などの読者層へ訴求する『ケンブリッジ大学・人気哲学者の「不死」の講義』、現在10万部を突破し、今回の販促に際し、カバーをリニューアルした、小林弘幸氏の『整える習慣』、新型コロナウイルス以降、情報番組等での露出が増えている峰宗太郎氏の『新型コロナとワクチン私たちは正しかったのか』の4点を掲出する。
店頭展開へのフォローアップ
同社でも過去に例を見ない大規模な宣伝戦略で、その効果の最大化を図るべく、書店本部や取次会社などの大局的な視点での販売戦略を進める一方、交通広告を謳った拡材の提供のほか、また営業代行会社を細やかに活用することで、広告に合わせた展開、拡材の設置の促進を図るなど、書店店頭への綿密なフォローアップを行う。
日経BPマーケティング・橋田祐孝取締役は「通勤客や広告を見た方が、店頭に立ち寄られるケースも多いため、全銘柄を目立つ場所にご展開願いたい」としたうえで、「一方、今回の掲出銘柄は多ジャンルで、売り方も展開場所も商材によって異なる。類書の動向やこれまでの実績などから、元棚での展開など、各銘柄の特長に合った、個々の展開も当社営業担当からご提案させていただきます」と書店に訴える。
TVパブなど全国拡販も視野に
一方、販促対象はBOOKCOMPASSをはじめ、JR沿線の書店だけではない。JR広告の掲載期間中に全国紙への広告を掲載することで相乗効果を図るだけではなく、テレビやその他メディアへの露出も期待を寄せる。
橋田取締役は、「これまでも交通広告は何度か実施してきたが、書店での展開、販売実績につながるだけではなく、テレビ局をはじめ、各メディア関係者の目に触れることも多い。パブリシティにもつながるケースもあるため、この交通広告をきっかけに、首都圏にとどまらない販促企画として、全国に拡大していく」と意欲を示す。
また日経BP 出版マーケティング部兼プロモーション戦略部の小谷佳央氏は、今回の広告企画について、「数ある宣伝戦略の中で、当社にとってJR東日本の交通広告は最大の施策であり、さらに3週にわたって掲載するケースは、今回が初めて。他出版社でも例を見ないのでは。これまでも掲載前後を比較すると、売上が2~3倍になることもあり、着実に実売に結びついている。年末の商戦期に大型広告企画を投入することで、活気ある出版社として、当社自体を業界内外にPRできる」と話す。
競合ひしめく年末商戦に向け、大型の商品企画と宣伝費を投入する日経BP。今後の同社の動向に注目が集まる。